【キシャメシ】「その舌ざわり、絹のごとき」未知の世界にあなたをいざなう「極生ぷりん専門店 しの田」(新潟市東区)
季節の変わり目に油断すると、とたんに体調を崩す。昨晩から喉が痛くてたまらないのだ。食欲も減退する中、どうやって今日のキシャメシをクリアするか。
新潟市東区山の下の商店街に車を走らせる。かつての賑わいが嘘のような寂寥感で人気は少ない。にもかかわらずただ1店だけは、次々に人が吸い込まれていく。
ほーん「極生ぷりん」とな。山の下に近年オープンしたプリン専門店が話題になっているのは耳にしていた。
なにせプリンは大好物。もう「口がプリンに」なっている。今日のキシャメシはのど越しの良いプリンで行かせていただく。異論は受け付けない。
「極生プリン専門店しの田」は、昨年4月のオープンだという。ググってみるとオープン当初は開店1時間で完売していたらしい。小ぶりの店舗に入ると、ショーケースには残りわずかとなったプリンが並んでいる。
「極生ぷりん」は「極生」と「極生ほろにが」の2種類(カラメルソースで区別されるようだ)。その他、ベースの異なる「ちょこ」「ほうじ茶」「珈琲」がある。また「ぷりん」とは別に「クリームブリュレ」もあり、どうやら注文を受けてから表面を炙るらしい(これも強い引きだ)。今日は初見なので「極生」と「極生ほろにが」(いずれも税込380円)を購入。
記者のようなおじさんはたいてい「プリンは昔ながらの固めのタイプが良い」のだ。昭和の喫茶店で「プリンアラモード」にぷるんと乗っていたタイプのやつ。近年主流となりつつある「とろとろの半生プリン」も悪くはないが、やはりノスタルジックな例のやつが好きだ。
そこへいくと「極生」というくらいだから「とろとろタイプ」なのだろうな・・・
そんなことを考えながら瓶のふたをオープン。お、見た目には蒸された感じも残っていて、ぷるんとした印象じゃないか。添付されたカラメルソースを垂らし、すかさずスプーンを入れる。「とろとろタイプ」とはちょっと違う感触で、期待を膨らましながら口に運ぶ・・・
おお、濃厚だな。良い卵を使っているのだろうな、とすぐにわかる。嫌味にならない程度のミルクフィール、大人味カラメルソースのほろ苦さ。砂糖甘くなく、自然な味。コク深くまろやか、好きな味だなあ。
なんといってもこの口あたり、舌ざわり。初めて出会う感触。「地球上に果たしてこれよりなめらかな物質が存在するのか」というくらいなめらかで、まさに絹の食感。一方でプリンたるテクスチャーは確かに保持され、果てしなく柔らかではあるが「とろとろ」とはあきらかに違う「愉悦」が口中で展開される。こんなこと言うとお店は本意じゃないかもしれないが、なんというか、肌のきめ細かさが「エロい」。こんなプリン、はじめて。
リピート必至、それどころかもうどっぷり虜(とりこ)である、極生ぷりんの。
(編集部 I)
【極生ぷりん専門店 しの田】
新潟市東区山の下町7-25 T-EASTビル1-1
営業時間 11:00~18:00
定休日 火・木
<グーグルマップより>
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。