【村上・岩船地域の分娩施設がゼロに】村上総合病院の分娩休止、花角知事「集約化は現実的」
新潟県の花角英世知事は11月13日の定例会見で、2025年春に分娩休止を決めた村上総合病院について、少子化の中で分娩施設の集約化は現実的な対応だとの認識を示した。同病院の休止により、村上・岩船地域の分娩施設はゼロとなる。
花角知事は、詳しく報告を受けているわけではないがと前置きした上で「今年度の見込みで村上総合病院の分娩取扱数は70件程度。昨年度も100件を下回っている。一般的には200件くらいの分娩を取り扱わないと、経営が成り立たないと聞いている。分娩を運営する施設側の観点だけではなく、生む側からしても安心安全な場所で出産し、質の高いサービスを受けたいのは当然。そのクオリティが担保できる医療施設に集約していかざるを得ないというのは現実的な話。急速に進んでいく少子化の中で、今まであった分娩取り扱い施設をすべてそのまま維持していくのは難しい」と話した。
会見に参加した記者から「同病院の分娩休止は主に県厚生連の経営危機(赤字)が背景にあり、産科の体制を縮小したということで間違いないか」という質問があがると、
「経営難が関係していないとは言わないが、村上総合病院の分娩取り扱い数が健全な経営を行える数に至っていないということが大前提だと理解している」と回答した上で、「県の周産期医療についての方針も医療圏ごとに安心できる分娩施設を残していくとしている。分娩は集約された施設にいくことになるが、市町村と県で連携し交通費と宿泊費の支援をこれから村上市と協議して進めていく。こうした取り組みを進め、安心して出産できる環境を整えていきたい」と語った。