新潟県、生産拠点の国内回帰を進める企業への補助金交付先を日本曹達株式会社(新潟県上越市)に決定、2次公募も開始
新潟県は2日、新型コロナウイルス感染症の影響からサプライチェーンの見直し(生産拠点の国内回帰)を進める企業に対し、県内製造拠点の新増設を支援する補助金(ものづくり国内回帰工場立地支援型)の公募を行ってきたが、2日、日本曹達株式会社が採択先に選ばれたと発表した。同社では、これまで中国にある取引企業からも農薬殺菌剤を輸入していたが、今後、上越市内にある工場を増設し自社生産に切り替えるという。
また同日、同補助金の2次公募の開始も発表した。公募期間は9月30日までで、大学教授など6人の外部審査委員による審査により、10月下旬をめどに採否の決定を行う。補助金の上限は、設備導入費の5%以内(建物を除く)で、応募が多数の場合は予算の範囲内で調整を行うことがある。採択企業は1社には限定しない。
要件は、建物を除く設備導入費が1億円を超え、かつ県内の新規常用雇用者を5人以上増加する計画であることとし、さらに、国の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の補助要件を満たし、県内に設備投資を行う場合と、以下の4つのいずれかに該当する場合となる。
1つ目は、海外で生産していた製品等を国内で生産するため、県内に設備投資を行う場合、2つ目は、輸入していた製品等を自社で製造するため、県内に設備投資を行う場合、3つ目は、大手・中堅企業等がサプライチェーンの見直しを行い、製品等の調達先を海外から国内へ切り替えた場合に、その調達先となった企業が県内に設備投資を行う場合、4つ目は、新型コロナウイルス感染症収束後の需要の増加や同感染症の影響による市場ニーズの変化に対応するため、県内に設備投資を行う場合。
応募方法や様式などの詳細については、新潟県未来創造産業立地促進補助金(ものづくり国内回帰工場立地支援型)公募要領を参照のこと。
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/sangyoritchi/kokunaikaikikoubo4.ht
新潟県産業労働部産業立地課は、「新型コロナウイルスの影響で、国内拠点を強化する動きがある。コスト増になるが、それでもサプライチェーンから見て国内の方が有利な面があるはずだ」と話している。