「雪かきは1人でしないで」過去10年で雪による死傷者は県内1,484人…新潟県が本格的な冬の到来へ向けて県民へ注意喚起
新潟県防災局などが12月2日、本格的な降雪の時期に向けて合同で記者会見を開き、除雪作業時における安全対策などを県民へ呼びかけた。
県では2020年度の大雪災害を契機に、翌年度から県民へ雪関連の注意を呼びかける合同記者会見を開いている。
新潟県内の過去10年間の雪による死傷者数は1,484人で、そのうち106人が死亡している。事故の要因で最も多いのが除雪作業によって高所から転落するもので、県は「高さ4メートル未満からの転落も重傷・死亡に繋がっている」と警鐘を鳴らし、屋根上などでは命綱をつけることを呼びかける。また、除雪作業は基本2人以上で行い、1人でやる場合は近隣に声をかけることも重要だ。特に高齢者の場合は事故だけでなく、除雪による寒暖差や急な運動で体調が急変して死亡する事例も多く報告されている。
1月には能登半島地震が発生したが、その後は少雪傾向であったため、今季が地震後初の本格的な降雪期となる。地震の被害を受けた建物への降雪による倒壊や、緩んだ地盤へ融雪が染み込むことによる土砂災害などが予想される。また、屋根にブルーシートを乗せている場合は積雪が落ちやすいことも留意が必要だとして、県では注意を呼びかける。
県防災局防災企画課の堀川健一課長は会見の中で「雪による被害は未だに少なくなっておらず、降雪により亡くなる方が毎年多い。雪下ろしなどの作業中の事故防止に向けた安全対策をしっかりとお願いしたい」と県民へ注意を呼びかけた。
会見ではこのほか、道路関連では冬タイヤ装着をはじめとした自動車への雪関連品の搭載や、雪による渋滞に捕まった際の一酸化炭素中毒やエコノミー症候群への対策を呼びかけた。ほか、雪崩やストーブ火災への注意喚起も行った。