建物の老朽化により閉館となる両津文化会館(新潟県佐渡市)で最後の芸能祭を開催【(株)佐渡テレビジョン】

建物の老朽化により6月30日で閉館となった両津文化会館(佐渡市)。6月13日に最後のイベントとして両津地区芸能祭が開催され、出演者は感謝の気持ちをこめ舞台に立ちました。

1974年に文化の拠点として旧両津市が建設した両津文化会館。佐渡市合併以前は両津市民会館として親しまれていました。客席は固定席で1176席と当時では島内で最も大きく、照明設備や舞台装置は本格的なコンサートなどにも対応しています。時代に合わせ設備の改修などを行い、長い間両津地区のみならず佐渡の文化の拠点として島民に親しまれてきましたが、建物の老朽化により6月30日に閉館をむかえ、47年の歴史に幕を下ろしました。

旧両津市の職員時代、両津市民会館のイベントに携わり佐渡市合併前の2年間館長をつとめた荒芳信さんは両津文化会館は立派にその役割を果たしくれたと感じています。また、民謡の歌い手としてもステージに立った荒さんは両津文化会館がつないだ縁を振り返りました。

そんな中行われた両津文化会館では最後のイベントとなる第59回両津地区芸能祭。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止策として無観客での収録とし、8月に佐渡市のケーブルテレビで放送することになりました。観客はいないものの出演した18団体は両津文化会館の最後のステージを噛み締めるように日頃の成果を披露しました。

両津文化会館で初舞台を踏んだ朱鷺さなえさん。朱鷺さなえ会を主宰し芸能祭のみならず自身の会の発表会で両津文化会館を使用していてこの日も特別な思いを抱いて舞台を務めました。また、この両津文化会館は芸を磨くうえで重要な存在であったと感じていました。

そして、筝曲八惷会を主宰する市橋ヤスエさんも特別な想いを抱いている一人です。中学生の頃に琴の演奏を見て以来、70年以上にわたり琴一筋で芸を磨いてきた市橋さん。両津文化会館での最後の舞台ではかつての教え子たちも集まりこれまでの感謝の気持ちを響かせました。昭和52年から両津地区の芸能祭に出演し続けた市橋さんは、多くの思い出を振り返り、おもわず涙を流す場面も見られました。

出演者それぞれが様々な想いで務めた両津文化会館最後のステージ。今回の芸能祭で副実行委員長を勤めた古川聖子さんは両津文化会館で育まれた文化の火は今後の支えになると期待しています。

佐渡に多くの芸術文化をもたらし島内で活動する芸能団体のゆりかごとなり発展に尽くした両津文化会館。多くの市民に惜しまれながらも最後のステージは感謝があふれていました。

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓