【新潟県内でも急増中】警察官などを騙る特殊詐欺が全国で激増中、犯人の手口とは?
新潟県警によると、県内や県外の警察官などを名乗り、「あなた名義の携帯電話や口座が犯罪に使われている」「口座を捜査する必要がある」などと言い、指定した口座に現金を振り込ませるオレオレ詐欺の予兆電話が多数確認されている。
全国的に警察官などを騙る特殊詐欺が流行している。まず、どういった手口で特殊詐欺の電話は始まるのかを新潟県警本部に取材した。
流行しているオレオレ詐欺のケース(一例)
様々なパターンがあるオレオレ詐欺の中で、新潟県内で多く確認されている手口の1つが、最初に固定電話やスマートフォンなどに通信会社などを騙る電話がかかってくるというケース。
電話に出ると、自動音声で「この電話はあと2時間で使えなくなるので、~番を押してください」などと告げられ、指示通りにボタンを押すと、通信会社を騙る犯人に電話が繋がり、「あなたの電話機が犯罪に使われているので、これから警察官とかわります」となどと言われる。
そして、警視庁や大阪府警など日本各地の警察官を騙る犯人が「あなたの携帯電話が犯罪に使われています。捜査する必要があるので、~まで来てください」などと東京や大阪、場合によっては九州など、移動することが困難な場所を指定される場合があるという。
そこで、指定された場所に行けないという旨の返事をすると、「わかりました。では、このまま電話で捜査を始めますので、協力をお願いします」などと告げられる。
新潟県警に実際にこういった事があるのかを問うと、「電話で捜査をするという事は、まずありません」という回答が返ってきた。そして、仮に警察が協力を要請するとしたら、移動が困難な警察署などを指定せずに、直接足を運んで捜査をするか、最寄りの警察署へ足を運ぶように協力を要請するという。
警察官を騙る犯人が登場→消息不明
「電話で捜査をする」と主張する犯人は次に「まずはあなたの口座を捜査しなければならない。マネーロンダリングなどに使われている可能性があるので」などと言い、「口座の動きを確認するためには情報が必要だ」などと告げ、預金情報などの詳細な口座情報を聞き出してくるという。
その後、「私があなたの名義でインターネットバンキングの口座を作りますので、そちらの口座に一旦お金を動かしてください」などと誘導する。
そして、被害者が預金などを動かしたことを確認すると消息不明となり、金銭をだまし取られるというケースがあるのだという。
上記に書いたケースはあくまで数ある特殊詐欺の一例である。ほかにも様々な文言を使って、「捜査」などの理由をつけて個人情報を聞き出してくる場合があるので注意が必要だ。
ほかにも、ビデオ通話で警察官を名乗る人物が警察手帳の様なものや時には逮捕状のようなものを見せつけ、「このままでは逮捕しなければいけない」や「身柄を拘束しなければいけない」などと脅迫めいた言葉で被害者に信じ込ませる手口も確認されているという。
これから予兆電話が増加する可能性が高い
新潟県警によると、過去数年12月になると特殊詐欺などの犯罪被害は増加する傾向にある。具体的な手口として予想されるのは、増加中の警察官を騙る手口をはじめ、「保険証が使えなくなる」などの文言を使ったケースが増える可能性があるという。
新潟県警は、「これから予兆電話が増える可能性がありますので、警察官を名乗り『あなたの口座は~』などと口座について言われたら、まず詐欺を疑って下さい。そして、最寄りの警察署などにご相談ください」と注意喚起している。
現在、全国各地で警察官を騙る特殊詐欺が激増している。冷静に考えたらおかしい事でも、犯人は被害者のペースを崩し、正常に判断できないようにしてくる。
口座や金銭、個人情報について聞いてくる電話が来たら、まず周囲の人や警察に相談するということを心に決めて実行すれば、特殊詐欺被害に遭う可能性を限りなく低くすることができるだろう。