「乳牛のエサまで新潟県産」でPR 需要の落ち込む冬へ向け、牛乳の生産者がキャンペーンを開始

表敬訪問の様子

新潟県酪農業協同組合連合会が12月11日、新潟県の花角英世知事を表敬訪問し、冬期間における牛乳の消費拡大への協力を求めた。冬場は牛乳の消費が落ち込むが、同会では乳牛のエサに県産飼料を混ぜて育てている点などを打ち出し、12月から本格的にPRキャンペーンに取り組んでいる。

県酪農業協同組合連合会では、イネから作る乳牛の飼料「ホールクロップサイレージ」を県内で生産、利用する取り組みを進めており、県もこれを支援している。乳牛の飼料は従来、ほぼ輸入品に頼っていたが、地政学的リスクの高まりや円安などの影響で高騰しているため、県内で生産した飼料への転換を進めていきたい考えだ。同会の藤田毅会長によると、3年ほど前からこの取り組みを始め、今年秋にはある程度の量のホールクロップサイレージが県内で生産できるようになり、利用も広がっている。

現状、乳牛の餌に混ぜている県内産ホールクロップサイレージの比率は高くないが、今後、トウモロコシから作る飼料も県内での生産量を増やし、併用していくことで、乳牛の餌に混ざる県内産飼料の比率を高めていくという。

表敬訪問では、花角知事が県産牛乳とチーズに舌鼓を打つ場面も

県酪農業協同組合連合会の藤田毅会長

表敬訪問の様子

12月1日から実施しているキャンペーンでは、こうした県内産飼料で乳牛を育てている点などをPRし、消費の拡大に繋げる。今後、量販店やJA直売所にポスターを貼っていくほか、グッズの配布や、若手の酪農家が出向いて宣伝する機会を設ける。実施期間は、初回が1月31日まで。さらに期間を開けて3月中にも2回目のキャンペーンを行う予定だ。

11日の表敬訪問では、県酪農業協同組合連合会の藤田会長と神田豊広代表幹事、新潟県酪農同士会のメンバーが県庁を訪れ、花角知事へ取り組みの現状について解説した。

表敬訪問後の囲み取材で藤田会長は「(県産飼料を使うことは)ウシにとっても健康的で、良い牛乳になっていると思う。飼料まで県内で生産しているというのは非常に大切なことで、食料安全保障においても新潟県がリードしていくということが(県民にも)浸透すれば」と話した。

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