【キシャメシ年末年始特集】「編集部が選ぶ新潟のごはんの友アワード」 田村定吉商店(新潟市江南区)の味噌漬
年末年始のキシャメシは、「編集部が選ぶ新潟のごはんの友アワード」と題し「これさえあれば、何杯でもおかわりできる」という、キシャ自慢の逸品を紹介する「ライスハック」特集。
記者が自信をもってお勧めする新潟のごはんの友は、田村定吉商店(新潟市江南区)の味噌漬。
野菜の味噌漬で炊き立てご飯をいただく、この組み合わせをこよなく愛している。それは、すべて田畑でできた素材で完結する日本古来の食文化に日本人としてのDNAに呼応するのか。はたまた「漬物+味噌」という2種の発酵による旨味成分の増幅に惹かれるのか。
県内各地に取材に行くと、道の駅や産直に寄って味噌漬けを買って帰ることも多いのだが、最近のお気に入りはこちらの「味噌漬つめあわせ」(税込500円)だ。
田村定吉商店では、大豆・糀・塩だけでつくった無添加4年熟成味噌を手作りしている。「生きた味噌」で漬けられた野菜の味噌漬に、記者は首ったけなのだ。
詰め合わせのラインナップは「きゅうり」「茄子」「大根」「生姜」の4種。これらが入って税込500円はリーズナブルにもほどがある(と記者は思う)。
さっそく炊き立ての2024新之助にオンしていただく。ん-たまらん!よくぞ日本人に生まれけり。味噌漬けは「しょっぱい」と思い込む人が多いが、記者はこれを「旨味の凝縮」だと思っている。たんぱく質分解、乳酸発酵で増幅する旨味成分が、ふっくらした米の甘味とがっちりかみ合う。しょっぱ味が発酵の力で尖らずにまろやかさを纏っているのだ。米のポテンシャルを最高に引き出すのは良質な野菜の味噌漬に他ならない、と記者は思う。
記者が特に好きなのは生姜の味噌漬。シャキシャキした食感と口中に広がる香味、清涼感。マジでこれさえあれば「白飯なんぼでもいける」。
さらにおすすめは「シメの茶漬け」。味噌漬を細かく刻んで、少なめに盛ったご飯の上に載せ、熱々のほうじ茶をかける。これが出汁茶漬けだと、ちょっと旨味が渋滞するので記者はほうじ茶にしている。これ、最高。
新潟には、こうした発酵・醸造の文化が実に豊穣だ。昨今はインバウンドの間にも、こうした発酵食を求めて地方を訪れるガストロノミーツーリズムにも火が付き始めているという。新潟が世界に胸を張れる食文化だと思うが、いかがだろうか。
株式会社田村定吉商店
新潟市江南区旭1丁目2-27
営業時間 8時~17時30分(元日は営業時間に変更有)
定休日 日曜
<グーグルマップより>
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。