株式会社スノーピーク(新潟県三条市)が同社初となる大規模総合展示会を開催、山井梨沙社長と小泉進次郎大臣のトークセッションも

株式会社スノーピークの山井太代表取締役会長(写真左)と山井梨沙代表取締役社長(写真右)

衣・食・住・働・遊…人間全ての営みを自然へ繋げる企業へ

株式会社スノーピーク(新潟県三条市)は7日から9日にかけて、同社初となる大規模総合展示会「Snow Peak LIFE EXPO」を開催している。このイベントは、自然との関わりや人間性の恢復を理念として、キャンプギアに留まらない幅広い展開を見せる同社が、現在進めている事業や、今後実現していく未来を体験する場として位置づけられる。

初日となる7日の開会式には新潟県の花角英世知事がステージへ登壇し、その後行ったトークセッションには小泉進次郎環境大臣がオンラインで参加。山井梨沙社長と持続可能社会について語り合った。

開会式・トークセッションの会場となったメインステージ

会場内には6つのブースが用意され、画像は「食」のブース

スノーピークではこれまでにも、既存のアウトドアディーラーを対象とした新商品の受注展示会を毎年7月に開催してきたが、現本社への移転10周年の節目と、昨年に本社併設のキャンプ場を約5万坪から約15万坪へ大幅拡大したことから今回の大規模展示会きっかけだと山井太会長は話す。

「スノーピークは2011年にこの場所に本拠地を移し、キャンプ場を併設する形になった。常時ユーザーが遊びに来て、一緒にキャンプをしながら双方向的な関係を持ってビジネスを展開できればと考えてのことだった。今後この場所を、我々が展開する『衣食住』、『働くと遊ぶ』そして地方創生の取り組みのショーケースにしていきたいという山井梨沙社長の考えから今回の企画が始まった」(山井太会長)

山井梨沙社長による今後のスノーピークの構想の発表

以前よりスノーピークは、アウトドアギアによる「野遊び」の提案から、人と自然の繋がりを再構築し、その体験をもって現代に人間性を恢復させることを目指す企業理念を掲げていた。近年はその展開をキャンプ用品に留まらず、住環境や職場環境への拡張や、地域性や生産者との繋がりを持った食と衣類の提供、そしてその活動を地域の連携で行っていくなど、非常に広大な範囲へ広げている。

今回の展示会でも本社のイベントスペースを用いて衣・食・住・遊・働、そして地方創生の6ブースを用意。それぞれに社会課題とスノーピークなりの解決を提案した。山井梨沙社長は「これまでスノーピークが培ってきた『野』に関する価値観を、衣・食・住・働・遊に広げることで、人の『ライフ』そのものに関わるブランドであり続けたい」と語る。また今回の展示会限定ではなく、拡張した本社キャンプ場も同様の理念を反映した総合的な施設へと変わっていくようだ。

 

山井梨沙社長が小泉進次郎大臣と持続可能な社会へ向けた取り組みを語る

山井梨沙社長と持続可能な社会について語り合う小泉環境大臣

7日から9日にかけて連日、山井太会長、山井梨沙社長が各界の識者と自然や企業活動について語り合うトークセッションが行われる。初回となる7日14時からは小泉進次郎環境大臣がオンラインで参加。持続可能社会へ向けた国と企業、個人の取り組みについて語り合った。

トークセッション冒頭で小泉大臣は、今年3月の自然公園法改正について紹介。「これまでは自然の保護に重点を置いていたが、今後は自然の利活用のルールもしっかり決め、自然と触れ合える機会を創出することで自然への理解を高めていく」(小泉大臣)と語った。その中で、林野庁との協力により国立公園の保護管理を明確化していく方針があると同時に、スノーピークのような企業により自然をワーケーションやグランピングなどに活用していく動きにも期待があるという。

トークセッションの会場の様子

持続可能社会について個人や企業の取り組みにも2人の話は進んだ。小泉大臣は企業のSDGsのような活動について「世界はもう『国から』や『経営に余裕があるから』ではなく経営の中核にSDGsなどの活動を置き、それを情報開示することで市場から評価を得る時代になっている」と警鐘を鳴らす。個人についても同様に「それぞれの自分の体験を、今後の行動に変えていってもらいたい」と会場の参加者へ呼びかけた。

山井梨沙社長も「幼少期にキャンプをするなど自然やリアルに触れる機会を創出し、環境に対して関心をもつきっかけを与えるお手伝いができれば」と今後のスノーピークの活動にも関連付けて話した。

左から、スノーピークの山井太会長、山井梨沙社長、新潟県の花角英世知事

地方創生のブースに置かれたスノーピークGOの自転車。地元住民がおすすめする観光地を回ることで地方創生へ繋げていくプログラムだ

衣服の廃棄へ対して再生を呼びかける「衣」のブース

(文・鈴木琢真)

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