【愛される地元のスノーリゾート】オープン60周年を迎える胎内スキー場、雪上につなぐウィンターストーリー

60年目を迎える「僕らのゲレンデ」

2025年でオープン60周年を迎える胎内スキー場(胎内市)が1月3日に今シーズンのスキー場開き(全面オープン)となった。2月15日にはたいまつ滑走や花火の打ち上げなど、盛大なセレモニーが開催される。

新潟県のゲレンデといえば、全国的に知名度が高いのは妙高や魚沼、湯沢などが挙がるが、下越ではやはり胎内スキー場。特に、新潟市民にとっては胎内スキー場は原風景、心象風景として胸に残る、特別な場所に違いない。

今から30年以上前、日本中がバブルに沸いたころ、人々の冬のレジャーと言えばスキーだった。ホイチョイプロダクションの大ヒット映画「私をスキーに連れてって」が契機となった一大スキーブーム。リフトやロープウェイの1時間待ち以上は当たり前という、そんな時代。胎内スキー場は、新潟市内の愛好家にとって「平日の仕事終わりに滑りに行けるゲレンデ」として定着していた。実際、市内から車で1時間と少しあれば滑ることができるゲレンデは魅力だった。

「子供連れでも楽しめる」というファミリーゲレンデの側面もありながら、初心者から上級者までスキーをどっぷり楽しめる変化にとんだコースアレンジと下越においては圧倒的なスケールは、地元のスキーヤーの欲求を満たすに十分の要素だった。関東方面からのスキー客に埋め尽くされた湯沢などに比べ、新潟市民が「地元のゲレンデ」と認識するのは間違いなく胎内スキー場だった。

そんな一大スキーブームよりさらに四半世紀以上さかのぼった1962年の暮れから年明けにかけて、合併して胎内市になる前の黒川村は「38(さんぱち)豪雪」と言われるすさまじい量の降雪に見舞われた。当時の黒川村長・伊藤孝二郎氏は「働き手である男たちが出稼ぎにい行かなくても良い仕組みを、この膨大な雪と山を使って作り出したい」との思いからスキー場建設に着手した。

村の職員らが自ら山の斜面に這いつくばり、木々を切り倒して滑降コースを造成し、ゲレンデを広げてようやくリフト1基、ロッジ1棟のささやかなスキー場ができあがった。こんなスキー場に人が来るのか、という心配をよそに新潟市や新発田市の日帰り圏からの客で大いににぎわい、ゲレンデはどんどん拡張され、コースも増え、施設は充実していった。冬の働き場所ができた黒川村の男たちは、出稼ぎに行かなくてもよくなった。

下越では最も歴史があり、全県下でも有数のベテランゲレンデ。今や1年通じての一大リゾートゾーンになった胎内高原が、もともとは村立村営でスタートした手作りのスキー場だったという、その豊饒なバックストーリーに、胸が熱くなる。

県下最大級ちびっ子ゲレンデ、ファミリー向けに本領発揮

さて2024-2025シーズンのスタートを切った胎内スキー場だが、今シーズンは「ファミリーで楽しめる」という強みを、さらに進化させた印象だ。

胎内スキー場はもともと、家族のゲレンデとして利用してほしいという思いから、シーズン中毎日曜日は「スキーこどもの日」として小学生以下はリフト無料開放を行っている。

ちびっこゲレンデは県下最大級の規模。雪遊びデビューは胎内で

今シーズンは「雪遊びスポット」として従来人気だった「胎内ちびっこパーク」を拡張し、全長81mのスノーエスカレーターを挟んで2レーンになっているため、子供用ゲレンデとしては県下最大級となり広々と使えるようになった。スキー・スノボを滑らなくても「幼児の雪遊びデビューに」「そり遊びに」と利用価値が高い。親子連れはもちろん、シニア層が「孫を連れて」という姿も多く見かける。

また、子供の雪遊びだけでなくスキー・スノボのビギナーには練習の場として最適。「まだリフトは早いかなぁ」というレベルの超ビギナーなら、1日券700円のスノーエスカレーターを利用してみっちり練習を積んでから本格デビューというのがおすすめだ。

また今シーズンは毎月第3土曜日に高校生対象で毎月第3土曜日に高校生対象で1日券の割引サービス、月曜日にはレディースデイで1日券の割引サービス(通常5,000円を3,000円)、を行ったり、用具のレンタル料金(セットのみ)も30%OFFになるなど「次世代のファン養成」にも務めている姿勢が見える。

実力派ぞろいのスタッフが揃ったスキー・スーボードスクールも、今シーズンは1月3日からスタート。懇切丁寧な指導には定評があり、基本的な滑り方はもちろん、安全な滑走のためのマナーに至るまで、インストラクターがしっかり指導してくれるので、初心者でも安心だ。

多彩なコースレイアウトと魅惑ゲレ食も

胎内スキー場は、新潟市から車で1時間程度の手ごろな距離にあるので、それこそ「平日の仕事終わりにナイターを滑りに行く」というヘビーユーザーは今も多い。新潟市からほど近いにもかかわらず、広大なスケールと変化に富んだ多彩なコースレイアウトが楽しめるとあって、初心者から上級者まで満足できる。

一番人気のカモシカゲレンデから観る景観は最高

自然豊かな雪山の美しい景観と、なだらかな斜面が延々と続く小倉沢コース、林間コースは、初心者やファミリー層もクルーズスキーが楽しめる。運が良ければ野生のカモシカを観ることができるかも。

一番人気は初心者から中級者まで楽しめるカモシカゲレンデ。全長1,100mのコースは滑りごたえがある。少し覚えがあるスキーヤーなら中央ゲレンデ、風倉ゲレンデなどがスパンキーで面白い。上級者用のチャレンジコースは最大斜度35度の下越で最も歯ごたえのあるゲレンデだ。

また今シーズンから導入する新たなアクティビティのスノーラフティングはかなりアガる。雪上でスノーモービルに引かれるボートは、水上よりもさらに意外性のある動きでスリルと爽快感満点。胎内ゲレンデに遊びに行ったらぜひ体験していただきたい。

心行くまで雪と戯れたら、レストランで腹ごしらえ。胎内スキー場には名物のゲレ食がある。それは中腹にある鹿俣ロッジの「ジンギスカン定食」。専用のジンギスカン鍋で焼かれた羊肉は柔らかくて絶品の味わい。またたっぷり肉汁を吸った野菜も抜群の美味さに。これ食べたさに胎内スキー場にくるという熱烈ファンもいるほどだ。

 

鹿俣レストラン(1月10日オープン予定)

名物のジンギスカン(税込1,700円)は絶対に味わいたいところ

お得な宿泊プランが大好評

おなじみ胎内高原の河畔の城、ロイヤル胎内パークホテルでは胎内スキー場のリフト券がセットになったお得な宿泊プランが好評。1泊2食で1名22,700円から(1室3名以上ご利用の1泊2食付きお一人様料金、税込、入湯税別)。ホテル敷地内にも小さな子供から遊べる雪遊びスペース「スノーランド」が設営される予定で、幼児の雪デビューにはうってつけだ。

【関連リンク】

胎内スキー場公式HP

ロイヤル胎内パークホテル

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