錦鯉発祥の地・小千谷 ベトナムへの輸出が増加中
小千谷市は、泳ぐ宝石と言われる錦鯉の発祥の地。最近は錦鯉の輸出が右肩上がりで増えており、シーズン中にもなると、市内は外国人バイヤーたちでごった返す。
そんななか、有望な輸出先の一つと目されているのが“親日国”であるベトナム。小千谷市では、市を挙げて、そんなベトナム市場の開拓を加速している。
2017年11月、ホーチミン市に、小千谷市錦鯉協同組合のメンバーたちの姿があった。「ジャパン・ベトナム・フェスティバル」に出展するためにベトナムを訪問したものだ(=写真)。
昨年に続く2回目の出展だが、昨年は、訪問団の中に大塚昇一市長の姿もあった。そしてフェスティバルの前日、ホーチミン市内の会議室に、事前にジェトロに委託して調べたバイヤーを招へいし、参加した養鯉業者らとともに商談会を行った。また、現地のジェトロを訪問し、同国で取引を開始するに際しての留意点について学んだ。
「それまでは小千谷市では大手養鯉業者しかベトナムに輸出していませんでした。しかし、このべトナム訪問を機に、同国に輸出する市内養鯉業者は増えました。じっさい私も輸出を始めることができました」。参加者の一人はこう話す。
一方、小千谷市では来年2月に、ベトナムの錦鯉バイヤーと現地の有名ブロガーを交通費や宿泊代を市が負担する形で市内に招待。個別商談会のほか、観光視察などを行い、さらなる輸出につなげていく考えだ。
昨年11月に、新潟県とハイフォン市が交流覚書を締結するなど、新潟とベトナムの交流が深まっている。平和のシンボルとも言われる錦鯉だが、着実に交流の架け橋にもなりつつあるようだ。(2016年12月10日号より転載)