新潟県聖籠町の近藤商店などが、牧草と木材燃料ペレット輸入に関しロシア側と合意
- 27日に花角英世県知事を訪問して報告
ロシアから牧草と木材燃料ペレットが日本に輸入されることになった。
3月20日、水産加工品の製造販売を手がける近藤商店株式会社(新潟県聖籠町)が、極東ロシアから日本への牧草の輸入協力に関し、電力小売・電源開発・燃料・電力のトレーディングなどを手がけるイーレックス株式会社(東京都中央区)が、極東ロシアから日本への木材燃料ペレットの輸入協力に関し、ロシア政府の機関である「ロシア投資誘致・輸出支援エージェンシー」と覚書を交わした。近藤商店取締役会長の近藤毅彦氏とイーレックス代表取締役の本名均氏が27日、新潟県の花角英世知事を訪れて報告し、その後、ぶらさがりの取材に応じた。
このうち牧草輸入プロジェクトは、比較的雨量の少ないロシア・ウラジオストク市の近郊に広がる土地に、牧草(チモシーなど)を植え、新潟に輸入しようというもの。昨年5月には日ロ当局間で輸入に関して合意書を締結。さらに、日本への輸入に不可欠な燻蒸施設の設置に向けた動きも出ている。実現すれば、現在の輸入先であるアメリカやカナダ産のチモシーと比べ、安価になることが予想され、県内畜産業の経営力アップにつながると期待されている。
日本の畜産業者が牧畜のために海外から輸入する牧草は年間180万トン。主な輸入先は、アメリカ、カナダ、オーストラリアであるが、価格はトン当たり6~8万円(農家渡し)。畜産業の経費のうち、およそ半分は飼料代が占めるといわれ、輸入牧草の高騰が畜産農家の経営を圧迫している。一方、ロシア極東地域では本格的に輸出用の牧草は未だ栽培していないが、本格栽培を始めて日本に輸入した場合、価格は新潟港渡しでトン当たり4~5万円と既存の輸入先より低価格になることが想定されている。近藤商店の近藤取締役会長は、「始められるのは早くて来夏。1~2年以内には。5年後には年間30万トンの牧草輸入を予定している」と話していた。
一方、イーレックスの本名均代表取締役は、「(ペレット輸入量を)年間200万トンに引き上げたい。(日本側の窓口として)新潟は最有力候補だ」と話していた。