第2回新潟空港アクセス改善連絡調整会議が開催される
新年度に高速バスの空港乗り入れの実験などを実施
新潟空港の利用者数の増加に向けて、空港アクセスの改善策を議論する「第2回新潟空港アクセス改善連絡調整会議」(座長=水口幸司・新潟県交通政策局長)が28日、新潟市中央区で開催された。
同会議のメンバーは経済団体(日本政策投資銀行、新潟県商工会議所連合会など)、交通事業者(JR東日本、新潟交通など)、新潟空港ビルディング、観光関係、行政など。この日は、空港アクセスの改善に向けた2018年度の取り組み状況と、次年度の計画について報告があった。その後、質疑が行われたほか、メンバー1人1人が意見を述べていた。
その報告によると、現在、県では短期的な取り組みとして、「空港から観光地などへの二次交通の整備」「空港駐車場の無料化または低廉化」「県外高速バスの空港乗り入れ」「早朝航空便に対応したアクセスの整備」「定額タクシーの導入促進」「同会議の開催」に取り組んでいるという。
1つ目の「空港から観光地などへの二次交通の整備」については、昨年春のLCC(格安航空会社)であるピーチ(新潟~関西)の就航を機に本格整備が始まった。現在、県の補助を受けながら、民間会社などにより、「瀬波温泉」、「佐渡汽船ターミナル」、「月岡温泉」、「弥彦・岩室」の4路線が運行されている。新年度はこの4路線に引き続き補助していくほか、新規路線の募集も行っていくという。またホテルや旅館とともに二次交通のPRをしてきたが、4路線の利用者数(今年2月末時点)は、「瀬波温泉」(132人)、「佐渡汽船ターミナル」(4721人)、「月岡温泉」(580人)、「弥彦・岩室」(34人)と佐渡汽船以外はまだ少ないことから、利用者ニーズをもとにした改善などにも取り組んでいくという。
2つ目の「新潟空港駐車場の無料化・低廉化」については、新年度に実証実験を行う。具体的には、今年12月から来年2月まで、国際線利用者を対象に、72時間以内の駐車場料金を無料化(現在は2400円/3日)するほか、72時間以降も長期割引を適用する実証実験を行う。これにより、仙台空港や富山空港と競合する地域(荘内、会津、上越など)から旅客を取り込めるかどうか検証する(現在、駐車場管理者と協議中で、変更となる場合もあるという)。
3つ目の「県外高速バスの空港乗り入れ」については、今年7月から3年程度、会津若松市~万代シテイバスセンターを結ぶ高速バスを、新潟空港まで延伸する実証実験を行う。航空便との接続を考慮したダイヤにしたり、そのほかの改善も重ねたりして、将来の自主運行につなげたい意向だ(現在、バス会社などと協議中で、変更となる場合もあるという)。
4つ目の「早朝航空便に対応したアクセスの整備」については、今年7月から3年程度、長岡駅~新潟市(西野)を結ぶ高速バスを、新潟空港まで延伸する実証実験を行う。7時40分の札幌行き、8時の大阪(伊丹)行きに間に合うようにダイヤを設定するほか、運行しながら改善を積み重ね、こちらも将来の自主運行につなげたい意向だ(現在、バス会社などと協議中で、変更となる場合もあるという)。
5つ目の「定額タクシーの導入促進」については二次交通の整備では対応できない多様なニーズをカバーする定額タクシーの可能性を探るために、実証実験を行うもの。まずは空港からだいたい20km以内のエリアで試験的に運行を開始し、徐々にエリアを広げていきたい考えだ。実施時期は未定(現在、タクシー会社などと協議中で、変更となる場合もあるという)。
ちなみに県議会などの議論によると、軌道系アクセス(新幹線の乗り入れ、在来線乗り入れなど)に関する議論は、空港利用者が135万人/年を超えたときに始めるという。