古町花街の会に日本ユネスコ協会「プロジェクト未来遺産」の登録証が伝達
新潟市中心部の古町で江戸時代から続く芸妓や料亭の文化を継承しようと活動する団体「古町花街の会」の取り組みが今年1月に(公財)日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産2018」に登録された。その登録証の伝達式が31日、新潟市中央区で行われた。
湊町として栄えてきた新潟の古町花街(花街とは座敷で芸妓の舞などを楽しめる店のある街)には、江戸時代から、料亭、茶屋、置屋(芸妓が籍を置いて居住する場所)の「三業(三業種)」が多数あり、文人や政財界の有力者が集ったという。その後、第二次世界大戦の空襲がなかったことなどから、三業で使われていた木造家屋は今も古町に数多く残り、“現役”で使われているほか、街を情緒あふれる景観にしている。また、往時には400名の活躍していた芸妓は今も20数名が活躍し、十本の指に入る日本有数の現役花街という。
「プロジェクト未来遺産2018」には全国から15件の応募があり、この古町花街を継承する取り組みを含む4件が選ばれている。
伝達式の中で語られた話などによると、選考の理由については、日本の伝統文化、おもてなしの伝統文化、三味線、和食などを継承する活動を、料亭や芸妓の文化が失われている中で、ハード(景観保全)、ソフトの両面から行っていることが評価されたようだ。