新潟県デジタル改革実行本部が発足、ICTを使って行政組織・サービスや県内産業の変革につながる取り組みを集中的に実施

第1回新潟県デジタル改革実行本部の様子

ICTの利活用にとどまらず、ICTを使って既存の仕組みを抜本的に見直し、行政・産業・暮らしの変革に全庁をあげて集中的に取り組んでいく「新潟県デジタル改革実行本部」が発足し、第1回会議が13日新潟県庁で開催された。

デジタル改革本部会議の本部長は花角英世知事が務め、全部局長がメンバー。また本部とは別に「タスクフォース」チームがあり、庁内調整などを行っていくほか、このタスクフォース内に設置された「CDO補佐室」(IT専門家で構成)が各課(各所属)への技術支援を行っていくという(下の表参照)。

県の資料より

具体的な実行方針には、「行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)」「暮らしにおけるDX」「産業におけるDX」の3本柱を掲げた。

このうち行政のDXでは、令和7年度までに行政手続きを原則すべてオンライン化するほか、令和4年度までに手数料などの電子納付を実現する。また現在96%まで実施済みの行政手続での押印廃止をさらに進めていくことも検討していく。

また、令和4年度までに、決済などにおける紙の原則廃止を行うほか、職員のパソコンをモバイルパソコンに置き換えてテレワーク環境の整備や、移動時間を有効活用できる環境を整備する。このほか、AI、RPAの活用を進めほか、庁内に154ある情報システムの見直し計画を策定してシステムの標準化を進め、行政データの有効活用などに繋げていく。

産業におけるDXでは、県内企業などのDX推進を後押しするほか、電子入札の導入などにより民間の事務作業軽減を図っていくことを検討する。

今後については半年程度、実行方針に基づき全庁な的な取り組みを進めた時点で進捗状況を確認し、必要に応じた実行方針の見直しを行っていく。



第1回目の会議の冒頭、挨拶した花角英世知事は「最大の課題である感染症対策にしっかりと取り組んでいただいていることに感謝申し上げたい」と話したうえで、「感染症の収束を見据えて、いまから中長期的に新潟県を成長させるための政策や事業をやっていかなければならない。それが、これまでも幾度となく申し上げているが、『分散型社会の実現』、『脱炭素社会への転換』、そして『デジタル化社会への対応』ということ」と述べた。

このうち、デジタル化社会への対応については、「(これまでも県では)『ICT推進プラン』を策定して(デジタルの活用に)取り組んでいる。今はさらに進んで、単なるデジタル利活用にとどまらず、IoTやAIなどあらゆるデジタル技術を活用して、行政・産業・生活の分野で、より利便性の高い、よりストレスのない快適な行政や、働き方、生活スタイルなどに変革していくことが重要で、変革がDXの肝でもある。本部会議で、県庁の職場の風景、行政のスタイルを大きく変えていきたい。また市町村や経済界、企業とも連携し、人口減少や医療など本県の抱える様々な課題の解決や、産業の高付加価値化などに繋げていきたい」などと語った。

さらに続け「頭を柔らかくし、前例にとらわれない新たなスタイルを作り出すことに本気を出して取り組でいただき、県民の皆様に『県庁、行政も変わったな』と言っていただけるようにしていきたい」と話していた。

花角英世知事

なお知事の挨拶に出てくる「ICT推進プラン」は、県総合計画に基づいて2年前に策定したもの。その後、関係する法令改正があったり、今年9月にデジタル庁が設置されたりという動きに加え、DX(デジタル化による組織やビジネスモデルの変革)の機運も高まっていることから、変革により重点をおいた実行方針を今回新たに策定したという。

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