【世界市場に向けたシナジー構築へ】株式会社太陽工機(新潟県長岡市)がDMG森精機株式会社(東京都)の完全子会社化に伴い上場廃止

太陽工機本社

株式会社太陽工機(新潟県長岡市)は2月5日、、2025 年2月6日をもって上場廃止となることを公表した。

同社は研削盤の専業メーカーとして1986年長岡市で設立。主力製品である「立形研削盤」は国内においてトップクラスの販売実績を誇り、国内のみならず世界中の製造業者に納入している(2023年度実績で海外比率約34.9%)。2007年JASDAQ上場、2022年に東京証券取引所スタンダード市場へと移行。

同社は2001年に主要取引先であるDMG森精機株式会社(東京都江東区)の連結子会社となり、両社が保有する経営資源を可能な限り相互活用しながら連携を強化。特に海外市場におけるDMG 森精機グループのグローバルな拠点網を通じた販売やアフターサービスの提供、国際的な展示会への出展を通じたブランド力の強化、技術人材及び営業人材の相互交流などの取り組みに注力してきた。

世界的な工作機械市場は、地政学リスクの高まりに伴う輸出管理に関する要求水準の向上や、顧客の製造ラインの省人化・効率化ニーズの高まりの中、高付加価値な製品の需要拡大が生じる中でさらに強固な事業上の相互連携を実現する必要が生じた。

そうした中、DMG 森精機側から 2024 年8月に株式売渡請求の取引を持ち掛けられ準備を開始。、同 10 月には太陽工機が開示した財務情報等の資料に基づく事業及び財務の状況の分析結果、本公開買付価格を 1,875円とする提案を受領、公開買い付けについて合意に達した。

その後、同12月17日、本公開買付けの結果について、株式2,471,172株の応募があり、公開買付けが成立したことが報告され、その結果、DMG 森精機がそのすべてを取得。議決権所有割合は 92.84%となり、DMG 森精機が太陽工機の特別支配株主となる。2025年1月7日に株式売渡請求承認の決議がなされ、これにより株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に該当することとなり、同2月6日をもってこれが実行された。

同社では上場廃止のデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、上場会社として享受してきた知名度や信用力、人材の確保に影響を及ぼす可能性を挙げる一方で、現在の財務状況等を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、これまでの長きにわたる事業活動や社会活動を通じて、工作機械業界におけるブランド力や知名度は既に浸透し、従業員や取引先を含めた多数のステークホルダーとの信頼関係も構築できていると考えており、継続して株式上場を維持する必要性はないという結論に達した。

むしろDMG 森精機グループの完全子会社として、さらなる連携を強めることで、海外市場における受注獲得や生産力の強化及び事業効率化、技術ノウハウの共有を通じた製品の付加価値向上などにさらなるシナジーが生まれることを期待している。

 

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