【キシャメシ】新潟で今一番並ぶ店、らぁめん倉井(新潟市中央区)レベチの無化調スープに思わず覚醒してしまう
経産省の家計調査が発表され、世帯当たりのラーメン支出額ランキングで新潟市が3年連続2位になった。市民がラーメン好きだと良いことがあるらしい。
というわけで、今日は久々に美味いラーメンを食いたいと思っていたところ。様々なタイプの名店がひしめく新潟市で、今最も行列が長いと評判なのは、中央区西堀通のらぁめん倉井。ここに決めよう。
実はなんだかんだ言って、記者はまだ未食だったりする。店の前を通る→順番待ちの姿→断念するのループを幾度か重ねた。「超絶美味い」という多くの声を聞いていた。本日は11:00の開店直後を狙い撃ち。
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大箱ではないが、上品な日本料理店を思わせる内観
店に入ると、おお、そこはラーメン店の(良い意味の)雑然さとは無縁。上質な日本料理屋、そう漫画「美味しんぼ」に出てくる「岡星」が実現したら、というような整然さを持つ内観。かといって、別に敷居の高い感じはなく、あくまで気さくで温かい雰囲気。たとえラーメンでなかったとしても「この空間で供される食べ物は、絶対に美味いだろうな」と確信する。
券売機で「醤油らぁめん」(税込1,100円)を購入、カウンター席に着く。接客が丁寧で素晴らしい。
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こだわりの素材が書かれている
訪店するにあたって下調べはした。スープに4種類の地鶏丸鶏を使用していること、生揚げ醤油ほか数種類の醤油をブレンドして使用していること、添加物や化学調味料を使用していない天然の旨味であること、麺は国産小麦100%で打っていること、スープに使用する水にもこだわっていること、など。ここまで突き詰めたラーメンって、逆にどうなってしまうのか。
カウンターから調理場に目をやる。一杯を仕上げるまで、実に丁寧に仕事をしているのがわかる。
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醤油らぁめん(税込1,100)美しい
ややあって着丼。いや、これは…
何とも美しい。黄金色に透き通ったスープ。きれいに整列した麺。具材と「余白」のバランスはまるで枯山水を思わせる配置。完璧じゃないか。
このスープかぁ、どれ。あぁー美味いっすね。まず香りが良い。雑味が最大限排除されている。にもかかわらず、違う種類の旨味が複雑に交差しており何ともいえない心地よさだ。この自然で尖りのない味わい、なのに一押ししてくるコク。
シンプルな構造なのに複雑さを感じるのは、4種類の異なる丸鶏を使用しているからなのか。鶏の旨味が深いが決して突出せず、羅臼昆布や節系もある。スッキリした旨味とパンチのある旨味が同居する。表面に浮かぶ鶏油(チーユ)もコクを足しているのに全然しつこくない。
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黄金に透き通ったスープ、その表面にぬらぬらと踊るチー油。エロティックですらある
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国産小麦を使用した味わい深く食感の良い麺
国産全粒粉小麦のストレート中細麺も、適度な弾力とのど越しでこのスープとの相性は最高だと思う。国産小麦の味わいを感じる。
そして、チャーシューがマジですごい。ほんの少しスモーキーな味わいも感じる。 柔らかい、柔らかいのだが、髪切る歯に少しだけ抵抗する弾力がある。こんな絶妙に仕上がるものなんだな。かみしめるほどに美味い(次は絶対チャーシュー麺にしようと誓う)。
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厚めのチャーシューは旨味がすごい!絶妙に歯ごたえを残す感じが良い
いや正直、想像の斜め上。ちょっと感動する美味さだった。オーソドックス、シンプルな構造のラーメンながら、その実、積んでいるエンジンはF1級。こういうレベルを「新潟あっさりラーメン」とひとくくりにするべきではない。ちょっと臆面もなく絶賛してしまって申し訳ない。
完食して、スープも全部飲み干す(天然材料だけだから、こういうことができる)。こういうレベルの店が他にも出てくれば、新潟のラーメンは全国に誇れるんじゃないか、別に支出額日本一じゃなくても。
(編集部I)
【らぁめん倉井】
新潟県新潟市中央区西堀通8番町1576
営業時間 11:00~14:30 18:00~20:00 (土、日、火)11:00~16:00
定休日 月曜日
<グーグルマップより>
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
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