【全身の麻痺、人工呼吸器の装着も…】新潟市内でボツリヌス菌食中毒、要冷蔵食品を常温保管か
新潟市によると、1月21日に市内でボツリヌス菌による食中毒があった。患者は50歳代の女性で、現在は意識があるものの、全身に麻痺症状があり、人工呼吸器を装着している。常温保管されていた要冷蔵食品を食べたことにより発症したと考えられる。
女性は1月21日1時頃から、眼のチカチカ感、口渇感、嚥下困難感、呂律不良を自覚し、同日5時頃に医療機関を受診。その後、症状が悪化したため、11時頃に別の医療機関へ救急搬送された。2月5日、国立感染症研究所にて実施した患者血清と便の検査結果が判明し、C型ボツリヌス毒素陽性となった。
保健所の調査によると、女性は11月頃、市内食料品店で容器包装詰の要冷蔵食品を購入し、自宅にて常温保管していた。そして1月20日正午頃、それを1人で食べたが、その時にはブルーチーズの様な臭いと味があったという。また食餌性ボツリヌス症の一般的な潜伏期間(8~36時間)内にほかに疑わしい食品を食べていないことなどから、当該の食品の喫食が原因による食中毒であると判断された。
新潟市は、「真空パックなどの密封食品でも、常温で放置しておくとボツリヌス菌が増殖し、命にかかわる食中毒の原因になることがある。包装の裏表の表示を確認して、適切な冷蔵保存や加熱調理をしてほしい」と注意を呼びかけている。