新潟県佐渡市教育委員会が学校給食時における児童死亡事故について市議会議員に説明、議員から質問相次ぐ
新潟県佐渡市は14日、議員全員協議会を開き、市議会議員に対し、市内小学校で発生した学校給食時における死亡事故について説明した。
事故は7月7日に発生。市内の小学校に通う小学5年生の男子児童が給食に出された米粉パンを喉に詰まらせ、意識不明の状態となった。小学校では、すぐに救急車を要請し応急措置を施したうえで市内の病院に搬送されたが、さらに上位の病院で処置を行う必要があったことから、ヘリコプターで新潟市内の病院へ搬送。その後、7月11日午前2時5分に男子児童の死亡が確認された。
全員協議会では佐渡市教育委員による説明後、出席した議員から質問が相次いだ。「喉に詰まったパンは応急措置で、ある程度除去できていたのか」という質問に対し、森和人学校教育課長は「喉に詰まったパンは当該児童の机上にある程度出され、その後水飲み場でもある程度出されている。詳細はまだ分かっていないが残っていた可能性はある」などと話した。
また、「喉を詰まらせてしまった背景など、何があったのか教えてほしい。パンをたくさん口に含んでいたことを確認したのか」との質問に対し、新発田靖教育長は「現在の情報としては前を向いて静かに食べていたと聞いているし、当該児童がパンを食べるところを見ていた児童はいなかったと聞いている。詳細は調査を進めていく」とした。
佐渡市教育委員会では、このような事故の再発を防止するため、「一度にたくさんの食べ物を口に入れない」、「大きな食べ物は小さくちぎったり、切ったりして少しずつ食べる」、「よく噛んで(小さくして)から飲み込む」、「水分の少ない食べ物(パンや肉など)は、飲み物(汁物や牛乳)と一緒に食べる」、「前を向いて静かに食べる。食事中にふざけない(笑わせたり、競争しながら食べたりしない)」など、給食の食べ方について再度指導するよう市内全小中学校に指示を行った。
また、県の通知により、「食に関する指導の手引き(文部科学省)」による窒息事故防止を含む学校給食におけるリスクマネジメントについて学校職員に周知した。
この小学校では、7月8日からカウンセラーを派遣して相談体制を整え、今後も学校の要請に応じてカウンセラーを派遣するなどして引き続き児童の心のケアを行っていくという。
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