建築家・原広司の住宅作品「北川邸」を宿泊施設「浮遊のいえ」として継承し、グランドオープン

建築家・原広司氏の義父である良寛研究者・北川省一氏とその家族の住宅として建てられた旧北川邸
新潟県上越市高田で名住宅が体験できる一棟貸しの宿泊施設がこのほどオープンした。
旧北川邸は、建築家・隈研吾氏の師匠にあたる建築家・原広司氏の義父である良寛研究者・北川省一氏とその家族の住宅として、原広司+アトリエ・ファイによってデザインされた住宅作品(1986年1月竣工)で、雪の多い高田の風土に合わせてデザインされている。
原氏は京都市のJR京都駅ビル、北海道札幌市の札幌ドームなどを設計し、新潟県十日町市の越後妻有里山現代美術館も担当している。

室内の様子
伝統的な雁木町家の保存・利活用を行うまちづくり団体「雁木のまち再生」が不動産を取得しており、「浮遊のいえ」が賃借するスキームで家主滞在型住宅宿泊事業として運営していく。屋号「浮遊のいえ」は原氏の設計思想である「浮遊」を受けたもので、文化的な資産である旧北川邸を経済的にサステナブルな形で次世代に継承していくべく、宿泊施設として事業化して来る修繕・改修に備えていく。

「浮遊のいえ」支配人の久野遼さんは1996年生まれの28歳で東京都出身

良寛研究者・北川省一氏の著書
「浮遊のいえ」支配人の久野遼さんは1996年生まれの28歳で東京都出身。東京大学工学系研究科建築学専攻修了(修士)。学生時代に上越市高田で雁木町家の活用の提案を行ったことをきっかけに、2024年12月に上越市に移住した。久野さんはリモートワークで本業をこなしながら、副業でこの民泊事業を行なっている。
久野さんは「学生時代よりご縁のあった上越市において、旧北川邸の活用を模索する話を伺い、このたび移住を決意しました。より多くの方々にお越しいただけるような場所として運営していきます。事業を通じて上越市の地域活性化に取り組んでいきます」と話している。