【キシャメシ】ミシュランガイドに掲載された町中華、蓬来軒(新潟市中央区)が出す「一流の」肉ちゃーはん

新潟市中央区上大川前にある蓬来軒のたたずまい

 

激しい雨が殴りつける。テレビの天気予報で寒波襲来と言ってたが、今回は雪じゃないのか。

さて本日はキシャメシ当番、どこで何を食べるか。

車で流しているのはいわゆる新潟島エリア。この辺りは行きたい店が山ほど。

旧新潟証券取引所付近の情緒的な街路を走っていると、目に入った一軒が。ああ蓬来軒か、そういえばまだ未訪だったな。

昭和31年にホテルイタリア軒の横に屋台を出していたのが蓬来軒のルーツという新潟市有数の老舗町中華。ミシュランガイド新潟2020特別版にミシュランプレートとして掲載。かつて新潟の商取引の中心で、ビジネスマンの胃袋を支えてきた味。今日はここだな。

蓬来軒ヒストリーを綴る古い写真が飾られている

イタリア軒横の屋台の時代か

蓬来軒と言えばタンメンが有名。だけど今日はどうしても炒飯が食べたい記者。メニューにも「炒飯の美味しいお店は何を食べても美味しい」と書かれてある。たしかマンガ美味しんぼで山岡士郎もそんなことを言っていた気がする。ということで「肉ちゃーはん」(税込1,280円)をオーダー。

カウンターで「刃牙外伝・疵面」を読んで待っていると、厨房から「ガシ、ガシ」と良い音が聞こえる。見ると大きな広東鍋を片手でガンガンにぶん回している。鍋をあおるたびに炒飯が宙を舞う。これこれ!これ見てから喰うと倍美味いのよ、炒飯は。

 

まもなく着皿。おお、こういう黒っぽいタイプの炒飯は好きだぜ。スプーンを差し入れると、山がはらりと崩れ、一粒一粒の「米の自主独立性」が守られているのがわかる。こうでなきゃ。

肉ちゃーはん(税込1,280円)

一口…なるほどね。よく「炒飯はパラパラ系かしっとり系か、どちらが好き?」という世の中で最も不要不急な議論が展開されるが、蓬来軒のはこれ、どちらでもないな。というか「パラパラながらしっとり」という絶妙なラインなのだろう。最高に美味い。

肉ちゃーはんは、ルースー炒飯のような「豚肉の細切りあんかけ」的なものを想像したが、そうではなく、スパイシーな豚肉がごろごろとふんだんに入っているタイプ。これが焼きの入った醤油味によく合い、美味さが増幅する。一流の技術から生まれた炒飯はなんとも芳ばしい。

肉がちょっとスパイシーでパンチがある味

パラパラとしっとりのちょうど中間、絶妙

しっかりパンチある味、普通の店のチャーハンより少しボリュームある盛り、愛され続ける味はちゃんと裏付けがある。ほぼ一息も付かないまま、一心不乱で皿を空にしてしまった。

店を出て車に乗る前に、今一度蓬来軒を振り返る。雨にけむる付近の風景に、溶け込むようにあり続ける蓬来軒の姿が、何かかっこいい。

ミシュランガイド新潟2020に掲載された町中華

(編集部I)

【蓬莱軒】

新潟市中央区上大川前通9番町1262

営業時間 11:00~14:00   17:30~20:00

定休日 日曜日

<グーグルマップより>

 

【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。

 

 

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