佐渡汽船の小川健会長と尾﨑弘明社長が花角英世知事を訪問
これまでの対応状況や安全対策、今後の輸送への影響について報告
佐渡汽船株式会社の小川健会長と尾﨑弘明社長は9日、新潟県の花角英世知事を訪問し、3月9日に発生したジェットフォイルの海洋生物との衝突事故に関するこれまでの対応状況や安全対策、今後の輸送への影響について報告した。これに対して花角知事は、負傷した乗客へのしっかりした対応、迅速な安全対策などを要請したという。
知事訪問後、尾﨑社長がマスコミのぶら下がりに応じた。それによると、事故発生後の直近の1か月の輸送状況は、ジョットフォイル「ぎんが」が修理中という影響が出て、前年同月比で4000名減った。ただ、ジェットフォイルの減少は、カーフェリーの乗客数を押し上げた面もあるという。
同社が独自に設置した調査委員会についても言及。同委員会は、原因究明と再発防止策の検討を目的に立ち上げたもので、これまでに2回開催したそうだ。
今後の輸送体制については、(修理に12週間かかる)ぎんがの修理はGWには間に合わないものの、最盛期の夏には間に合うことから夏には影響が出ないとの見通しを示していた。
安全対策については、すぐできる「減速」については既に行っているという。減速することで監視担当者が目視できる範囲が広まるそうだ。また、二重構造でクッション性を高めたシートを発注済みという。これが導入されると、衝突の際の衝撃を(シートの摩耗度合いにより)19~30%和らげることができる。
このほか、クジラ類が嫌う音を水中で流すアンダーウオータースピーカーを、より効果のある音にすることや、3点式のシートベルトの導入なども検討しているという。