新潟県三条市がコソボ共和国柔道選手団の事前合宿受け入れにあたり歓迎セレモニーを開催
新潟県三条市は16日、コソボ共和国柔道選手団の事前合宿受け入れにあたり、歓迎セレモニーを開催した。セレモニーは新型コロナウイルス感染対策の観点から関係者のみでの開催となったが、市内小中学校や団体が事前に撮影した動画を鑑賞するなどして歓迎の想いを伝えた。
コソボ共和国はバルカン半島内陸部に位置する国。前回のリオデジャネイロオリンピックでは、女子52キロ級に出場した同国のマイリンダ・ケルメンディ(Majlinda Kelmendi)選手が金メダルを獲得し、2019年の世界柔道選手権大会でもケルメンディ選手含む3人が銅メダル獲得するなど、柔道界における強国である。
コソボ柔道選手団は、前述の2019年大会でも三条市で合宿を経験しており、今回で同市への滞在は2回目。前回は地元の小中学生との稽古や地元飲食店での食事などを楽しんだが、今年は新型コロナウイルス感染対策のため、事前に撮影した動画が選手たちを出迎えた。
選手団を代表して挨拶に立ったドリトン・クカ(Driton Kuka)コーチは「2019年の受け入れが大会の結果につながり、祖国へ最高の結果を持ち帰ることができたということをまず感謝したい。今回の東京オリンピックではさらに良い結果を残し、そのメダルは私たちの祖国と、そして三条に捧げたい」と話した。
一方、記者からライバルとなる日本人選手を尋ねられたケルメンディ選手は「ライバルを1人あげるとすれば、間違いなく阿部詩選手になると思っている。決勝戦で阿部選手と当たり、勝つことが目標」と語る。また日本で楽しみなことを聞かれた際には「寿司が好きなので、日本で楽しむ機会があれば」と話し場を和ませる場面も見られた。
歓迎式後、三条市の滝沢市長は「選手のみなさんがリラックスしている様子でまず安心した。以前の記者会見では(日本とコソボ)どちらも応援したいと言ってしまったが、今日実際にお会いして、ケルメンディ選手を応援したいと決めた」と話す。三条市ホストタウン事業実行委員会の梨元次郎会長も「日本中を敵に回してもコソボを応援したい」という。
選手団は今後20日まで市内で練習後、21日に東京都内の選手村へ移動。出発時には、三条市で激励セレモニーも実施する予定だ。
また、三条市と隣接する加茂市でも、ポルトガルの女子体操選手、フィリパ・マルティンス(Filipa Martins)選手が13日から事前合宿を行っている。
同市では当初ロシア体操チームの事前合宿を受け入れる予定だったが、新型コロナウイルスの影響から合宿を中止することがロシア側からの申し入れにより決定。その後、事前合宿受け入れ先を探していたポルトガルからの申し入れがあり合宿を受け入れることとなった。
加茂市では、マルティンス選手の練習風景を公式webサイトとYouTubeチャンネルで公開中である。