新潟、群馬、埼玉の「三県知事会議」が群馬県高崎市で開催される
今後も観光、産業、災害、医療などで連携強化
第12回目となる「三県知事会議」(群馬県、埼玉県、新潟県)が18日午後、群馬県高崎市のホテルグランドビュー高崎で開催され、群馬県の大澤正明知事、埼玉県の上田清司知事、新潟県の花角英世知事のほか、担当部局長などが出席した。
この日の議題は、前回に引き続いて、
・(空港を活用した)相互観光の推進
・対岸貿易による産業振興の共同研究
・ラグビーワールドカップ2019(今年9月~11月に開催。埼玉県の熊谷ラグビー場も会場のひとつ)開催機運の醸成
・歴史的文化遺産の活用・発信
・大規模災害における広域的な福祉支援の推進
また、新たな議題として、
・少子化対策に関する三県連携の研究
・先端技術の活用により農業生産性の向上を図る共同研究
も取り上げられた。このほか、「三県における高度医療資源などの相互利用に向けた情報共有」についての現状報告などがあった。
「相互観光の推進」については、一昨年からシンガポールを新たなターゲットに設定し、三県で、縦断ゴールデンルート(東京~京都~大阪のゴールデンルートに対して、埼玉~群馬~新潟の南北に伸びるルート)の認知度向上に取り組んできた。
具体的はシンガポール旅行博への共同出展、シンガポール旅行社の招へいなどに取り組んできた。この結果、2年間でシンガポールからの誘客数が4割増加したという。今後も、インフルエンサーの招へい、旅行博への共同出展、三県観光パンフレットの設置などに取り組んでいくという。
また三県に、長野、富山、石川を加えた北陸新幹線の沿線6県が連携し、各県が主催するイベント会場で、共同の観光PRを行ってきたという。新潟県内では、にいがた酒の陣2019でPRした。今後も、来年春の群馬や埼玉北部を対象にしたディネーションキャンペーン(DC)も視野に共同PRを継続していく。
「対岸貿易による産業振興の共同研究」については、新潟東港の利用促進のほかに、インフラ整備を三県連携で、三県の物流基盤の強化につながるインフラ整備を国に要望してきた。具体的には、コンテナを積載したトラックが通過できる新三国トンネル(平成29年8月に着工)の早期完成や、三県を結ぶ国道17号(新大宮上尾バイパス、上尾道路など)の整備促進だ。
「大規模災害における広域的な福祉支援の推進」については、各県の災害派遣福祉チームの研修に相互参加してきたが、今後、より広域な北関東磐越五県知事会議の議題に移行することになったことから、今後、三県会議の議事から外れることになったそうだ。
「三県における高度医療資源などの相互利用に向けた情報共有」は群馬大学 重粒子線医学研究センター、埼玉県立小児医療センター、新潟大学医 災害医療教育センターでまず情報共有から始め、いずれ各県にある高度医療資源の相互活用までつながていきたい考えだ。
なお医療の連携については、新潟県の長岡赤十字病院を基地病院とする「新潟県西部ドクターヘリ」と、群馬県の前橋赤十字病院を基地病院とする「群馬県ドクターヘリ」の広域連携(相互応援)が1日スタートしたばかりだ。
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