【キシャメシ】燕三条背脂系ラーメンの名店が、新潟市東区でひそかに復活していた!懐かしの中華亭!

 

新潟市東区山木戸の中華亭。看板にも「笹口」と添えられているのが泣かせる

「中華亭ってご存じ?」と聞いたら、三条の人と新潟の人では反応が異なるかもしれない。

新潟市も三条市も同名のラーメン店があり、どちらもいわゆる燕三条系の背脂ラーメンを提供しているから、もしかしたら系列店なのかも、と思っている人は割と多いと思う。正直、記者も勝手にそう思っていたが、全く関係性がないらしい。まあ「中華亭」という極めてオーディナリーな店名なのだから、ダブってもおかしくない話だ。

そして今回は新潟市の中華亭。かつて新潟駅南笹口の路地で営業していた名店だが、数年前に閉店してしまった。記者はいつ閉店していたのか知らなかったのだが、知らないうちになくなっていた。いや、定期的に食べに行ってたよ、長年。

その「笹口の中華亭」が、この3月に長いブランクを経て復活していると聞いた。場所は東区の「らーめんオギカワ」があった場所。今日はここだな、キシャメシ。

着いたのは11:30だが、既にほぼ満席状態。パット見た感じ客層も、「笹口の中華亭」を知っている感じの年恰好が多い。カウンターに通されメニューに目を通す。定番の「中華そば」は850円税込。最近だとこれ、安い方だよな。そして別紙に「懐かしの中華そば定食」(1,000円)を発見。中華そば+ライス+角煮かあ、引きが強いなあ。きっと当時もあったんだろうな、このセット(覚えていない)。いいんじゃないこれ、というわけで早速オーダー。

備え付けの無料トッピングの中でもキムチが大量に。辛旨!中華そばにも合う

カウンターを見ると辛子高菜やたまねぎ、生姜など無料トッピングが豊富で、かなりカスタマイズできる。その中でも、自家製(と思われる)キムチが、大きなボウルに入って用意されている。これが各テーブルに据え付けてあるので、ご自由にどうぞ、というシステムのようだ。ふたを開けて一口戴くと、これがウマウマ。辛さもなかなかだが、にんにくと海鮮の旨味が強い。

そうこうしているうちに中華そば定食が着丼。丼を見ると明らかにチャーシュー麺だ。別卓と取り違えているかもと思い、スタッフに確認すると「ずいぶんお待たせしてしまったので。食べてください」という。

懐かしの中華そば定食(税込1,000円)写真はチャーシュー麺にグレードアップされたもの

確かに「順番が飛ばされたかな」という感じは分かってはいたが、そんなことはよくある話だよ。「大人だもの、気にしないよぉ」などと思いつつ、ありがたくグレードアップした中華そばセットをゴチになる。できれば今後も定期的に間違っていただきたい。

ああ、美味いね。沁みるわぁ。スープはこれ、潤や杭州飯店など燕三条系の本流とはちょっと違う気がする。本流よりベースの魚介が前に出ていない。例によって背脂(なのか、腹脂のミンチなのか)は丼に降り注いでいるが、嫌味なほどではなく、まろやかさをプラスしている印象。醤油ラーメンとしての醍醐味は、むしろこちらに軍配が上げたい。

そしておなじみ、黄色めのぶっとい麺は、しっかりしたコシがあって良い。

おなじみ、ぶっとくて黄色い麺。ローカルガストロノミーだねい

スープを覆う背脂、降り積もる雪のように

チャーシューは、これ、肩ロースか。50代も後半に差し掛かると、トロトロのバラチャーシューよりこちらの方が助かる。味がぎゅうぎゅうに沁みていて美味いなあ、このチャーシュー。脂身が少ないのにパサつきがなく柔らか。

肩ロースのチャーシューがシミ美味い

さて角煮をやっつけにかかる。うん美味い。豚がかわいそうになるくらいほろほろに煮込まれている。なんだかレモンサワー飲みたくなってきた。これがあるから、脂身の少ないチャーシューが活きてくる。

トロトロ角煮をワンバン

あっという間に完食。終わってみれば腹パンパンだが、一心不乱に食べ尽くした感、堪能した。

燕三条系の背脂ラーメンは、地場産業と深く結びついているというストーリーがあるのが良い。考えてみれば、中華亭があるエリア、沼垂から続く旧7号線沿いも、工場地帯が断続するものづくりの街。感慨深いなあ。

帰り際、スタッフに「ここは昔駅南にあったお店の?」と聞くと「そうなんです。師匠に教えていただきました」と話す。良いなあ、こう、皆に愛された味が次世代に伝承していく話は。

(編集部I)

【中華亭】

新潟市東区山木戸3-10-6

営業時間 24時間営業(4月1日グランドオープン後)

定休日 不定休

<グーグルマップより>

【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。

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