【コラム第6回】「情報の発信力」~新潟県の上越市が日本一だけではなくアジア一、世界三位であったなんて!~勝島一真(税理士・行政書士)

新潟県上越市の高田城址公園観桜会

ビジネスカツシマの勝島です。雪解けもすすみ青空の日が増えて日の長さを感じる季節となりました。新潟県上越市の高田城址公園も観桜会の準備が着々とすすめられ、あのぼんぼりを見ると春がきたことを実感します。

今年の観桜会は第100回ということで記念すべき節目の会となります。第100回ということは100年前から観桜会がおこなわれていたということであり、その歴史をさかのぼると、やはり第1回は1925年(大正14年)に開催されたようです。桜を植樹したのが1909年ということで116年前に植えられた桜が100年以上経った今も毎年毎年その時代の見る人たちを喜ばせ感動させ続けてきていると思うととても感慨深いものです。

高田城址公園の夜桜は、『日本三大夜桜』のひとつです。これだけ全国に桜の名所がある中で日本の三大にはいっているというインパクトはとても大きいものです。インパクトが大きければ大きいほど情報発信における発信力は当然に強くなります。

「日本三大」いわゆるベスト3に入ることで、見てみたい、行ってみたいという気持ちを高め、多少遠くても行ってみようかという行動にうつりますのでちょっとした行動経済学的な要素があります。

新潟県や上越市の可能性を探る

第6回のコラムは少し仕事の話題とは離れて、上越市や新潟県のもっている可能性や潜在力について探っていきたいと思います。

日本のいろいろなランキングを見ていくと、公式的なものであったり公式ではないけど、みんなが認めたようなものがあったりと様々なものがあります。その中で新潟県や上越市がランクインしていているけど知らなかったようなものもたくさんあります。

たとえば、『日本4大グルメ県』というもので、いわゆるごはんの美味しい県ベスト4ということです。北海道、大阪、福岡、新潟ということで、新潟は食べ物が美味しいことはじゅうぶんにわかってはいますが、あらためてこのように北海道や大阪、福岡と肩を並べランクインされていると嬉しいものです。

上越市の高田城址公園については、夜桜だけではなく、高田城三重櫓も夜景観光コンベンション・ピューローによって『日本三大夜城』として認定されています。他2城は、大阪城と高知城ということであり、夜景観賞士による人気投票と審査を経て選定されているようです。このことを地元の人たちがどれだけ知っているのかなと感じます。ある意味このような認定をうけているのであればそれをチャンスとらえるべきと思います。

数年前に驚くようなランキングを目にしたことがあります。『降水日数ランキング』というもので、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が13年前に作り公表した「世界の雨の日率マップ」(世界雨の日率マップ、2012年6月28日公開、トリップアドバイザー)というものがあり、新潟県の上越市は降水日数が日本で一番多く、それだけなく範囲をアジアに広げてもアジアでも一番多い、また世界にひろげても世界3位というからとても衝撃的であったことをおぼえています。

ここでいう降水日数とは、一日のなかで少しでも雨がふれば1日とカウントし、年間365日のうち雨が降った日が何日あったかという集計をとったものです。降水日数や降水量は自然のものなので、常にそのランクにいるのかということもありますが、1961年から1990年の約30年間を分析期間として1891か所の気象台の記録をもとにつくられているということなので、ある程度そのような傾向であるのだと思います。雨をネガティブにとらえようがポジティブにとらえようが、発信力としてはとてもインパクトが強く大きな武器を上越市はもっているということになります。

情報の発信は受信があってはじめて成立するものです。少し大げさかもしれませんが、たとえネガティブなものでも逆転の発想でそれをポジティブにかえて発信し、その情報が受信されて発信・受信が成立するとき、世界第3位の上越市には実はものすごく大きな可能性があるのかも!と考えてしまいます。

外国人がイメージしている日本が詰まっている

以前、外国の方が、「新潟県は〈お米〉〈日本酒〉〈雪〉〈温泉〉〈桜〉〈日本海の荒波〉〈田園風景〉と外国人がイメージしている日本がものすごく詰まっていて、ここにないものは『富士山』くらいだね」と冗談まじりで言っていました。

県内に上越新幹線と北陸新幹線と2つの新幹線が通る全国的に珍しい県であることから、新潟県は東京からのアクセス面においても大変恵まれています。今後インバウンドが増えていく中で、より情報の受信を意識した発信をおこない魅力のある観光やまちづくりがおこなわれていくことを期待したいと思います。

勝島一真

【プロフィール】
1976年生まれ。高校からアメリカンフットボールを始め、日本大学、株式会社オンワード樫山でアメフト選手として在籍。2002年税理士である父の急逝にともないアメリカンフットボールを引退し、株式会社勝島経営研究所に入社。その後、税理士法人ビジネスカツシマを設立し代表税理士に就任。税務・会計顧問業務のほか、開業支援や海外進出・M&A支援など様々な角度からのサポートを行う。

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