【特集】「人が財産」目指すは100年企業。定着率90%超えの働きやすさを実現する、株式会社丸互の企業風土とは

株式会社丸互(新潟県上越市)本社
「風通しが良くて、働きやすいです」
株式会社丸互の社員に自社の特徴を尋ねると、インタビューを受けた全員から共通して返ってきたのがこの言葉だ。
上越市の株式会社丸互は、2025年4月時点で社員数159名、うち男性91名、女性68名が在籍している。直近3年間の新卒および中途採用社員の離職率は9.1%、新潟県の平均離職率は26.32%であることから、その定着率の高さは数値からもはっきりと読み取れる。
現在4つの事業を展開する同社にて、各事業部の社員と代表の前川社長にインタビューを実施。社員が口を揃えて「働きやすい」と語る同社の事業内容と、職場環境について詳しく話を聞いた。
4つの事業を多角展開し、安定した経営を実現

丸互の工場内
株式会社丸互は、金属・木材事業のほか、ITソリューション事業、EP(エンプラ)事業、インフラ事業を展開している。複数の事業を展開するメリットは、大きく2つあるという。
1つ目は景気の波に左右されにくいことだ。同社の4つの事業はそれぞれが違う業種のため、景気の悪い波を直に受ける部門もあれば、その波に全く関係ない部門もある。会社単位で見たときに景気に大きく左右されることがなく、経営が安定するのだという。
2つ目は、事業部間の異動が可能な点にある。前川社長は「新規学卒者が本当に自分のやりたい仕事はこれだ!と胸を張って入社することはほとんどありません」と話す。興味があって入社しても業務が肌に合わないことや、上司や先輩とソリが合わないことは往々にしてある。
同社では社員から相談を受けた場合、他事業部に移ることを選択の1つとして提示するという。こうした柔軟な対応が可能な点が、同社が定着率の高さを保っている要因の1つだ。
他にも同社の「働きやすさ」にはいくつもの理由があった。インタビューから見えてきた丸互の魅力を紹介する。
お互いさまでいられる環境だから、安心して仕事ができる

ITソリューション事業部 間野未己さん
——ITソリューション事業部ではどんな仕事をしていますか?
「私はCADオペレーターという仕事をしています。CADでは様々な種類の図面を引くことができますが、私は建設・土木関係のCADオペレーターとして設計をサポートしています」
——仕事のやりがいを教えていただけますか?
「私が図面を起こした物件が実際に建物として出来上がったときです。建物を作り上げるその一員として、役割を任せてもらえているのを実感できる瞬間がすごく嬉しいです」
——会社の特徴や雰囲気を教えてください。
「私の部署は女性の割合が多く、お昼や休憩中はテレビやドラマの話を良くしています。おしゃべりな人が多いですね。みなさん気を配ってくださるので、自分から話せなくても話題を振ってくれます。仲の良い職場だと思います」
——会社の福利厚生や制度の中で、魅力的に感じるものはありますか?
「仕組みや企業風土の部分になるかも知れませんが、急な休みにも対応しているところがいいなと思います。うちの部署は日々しっかりコミュニケーションを取っていて、ひとりひとりの仕事の進捗状況をチームで把握できているんです。なので、お休みの人がいても、急ぎがあれば他の人が代わりに作業を進めることができます。安心して、お互いさまでいられる風土が魅力だと感じます」
——お休みの日や仕事後は何をして過ごすことが多いですか?
「最近、カフェに行くのが好きです。Googleで近くのカフェを調べて、気になるところに行きますね。おすすめは中央病院前にある、アリスというカフェです。お店の雰囲気が良くて、イケメンのおじさまがコーヒーを淹れてくれます(笑)」
1,000分の1ミリの精度を求められる仕事。「上手くいったときが何よりも嬉しい」

EP事業部 金型課 小島洸さん
——EP事業部ではどんな仕事をしていますか?
「私はEP事業部の中でも金型課といって、大手メーカーから受注した金型の加工を行っています。形状が複雑で微細な調整が必要な部分がたくさんあり、工作機械や加工機を使いながら金型を作ります」
——仕事のやりがいを教えていただけますか?
「製品がうまくできたときが一番嬉しいです。1,000分の1ミリくらいの精度で、寸法がほんの少しでも狂うとやり直しになってしまうモノもあるので、丁寧に仕上げられたときにやりがいを感じます」
——入社してから、成長したと感じる部分はどこですか?
「失敗が少なくなったことかなと思います。新人のころ、鉄に細いピンを差し込むための穴を空ける作業があるのですが、鉄が硬いのでドリルが中で湾曲することがあったんです。そうするとやり直しになって1~2時間程の作業が必要になっていました。今はそうした失敗が少なくなったのが成長ですね」
——会社の特徴や雰囲気を教えてください。
「みんな話すのが好きで、和気あいあいとしています。うちの課は年齢層が幅広いのですが、年齢関係なく話せて相談しやすい雰囲気を作ってくれます。とても居心地がいいですよ」
休みはしっかり、仕事は真面目に。メリハリをつけて働けるのが魅力

インフラ事業部 総合販売課 笠原琉生さん
——インフラ事業部でどんな仕事をしているか教えてください。
「総合販売課の営業職として土木資材販売を行っています。主に土木工事で使用する資材や材料の販売です。主な取引先は建設会社やハウスメーカーです」
——仕事のやりがいを教えていただけますか?
「毎日変化のある仕事なので、楽しいです。基本的に、お客様から要望があったものに対しては事例がなくても対応するという姿勢でして、覚える商材が多くて大変ですが、その分やりがいにつながっています」
——入社してから、成長したと感じる部分はどこですか?
「お客様との商談時に、雑談ができるようになってきたところですね。最初は話すことに精一杯でしたが、今は時事ネタやニュースでの話題など関係性を構築する会話や場を作れるようになってきました」
——会社のおすすめポイントを教えてください。
「有給が取りやすいですし、年間休日も113日と十分にあるのでメリハリをつけて仕事ができます。かなり働きやすい職場だと思います」
——会社の特徴や雰囲気を教えてください。
「うちの部署は少人数で毎日顔を合わせて仕事をしているので、コミュニケーションが活発です。明るい人が多くて、相談もしやすい環境です」

休憩中の雑談も、役職や年齢に関係なくフランクにおしゃべりが弾む
——お休みの日や仕事後は何をして過ごすことが多いですか?
「eスポーツをしているのでゲームをすることも多いですし、身体を動かすのも好きです。天気が良ければ友人とキャッチボールや、バッティングセンターに行きます。しっかり休みの日を満喫していますね」
仕事のやりがいは、人々の生活を守る一助になっていること

金属・木材事業部 木材加工課 黒田諭課長
——金属・木材事業部ではどんなお仕事をされていますか?
「木製パレットと呼ばれる木材を組み合わせて作るパレットを製作しています。輸送時の梱包材やDIYで使われるものですね。うちは輸送の梱包サイズに応じて製作しており、輸出向けのものは熱処理対応も可能です」
——黒田課長は中途入社と伺いましたが、以前は何のお仕事をされていたのですか?
「自動車整備の仕事です。今の業務とはまったく違った仕事でしたが、元々ものづくりが好きだったので、この業界を選びました。入社してから今年で17年目です」
——異業種からの転職ということですが、どのように新しい仕事を学んだのでしょうか?
「OJTでの先輩社員や上司からの指導を受け、マニュアルも完備されていたのでスムーズに仕事を覚えることができました。品物が増えたりやり方が変わったりしてオペレーションを追加したものもあって、今もマニュアルは更新し続けています。手順書がしっかり整備されているので、何もやったことがない人でも安心して取り組める環境だと思いますよ」
——仕事のやりがいを教えていただけますか?
「輸送というのは生活インフラの中でも非常に重要なものです。我々は月7,000枚弱のパレットを生産・製作しております。物流の下支えをしていると感じられること、間接的ではありますが、人々の生活を守る一助になっているという部分にやりがいを感じています」
——会社の雰囲気や職場風土について教えてください。
「とても和やかですね。休憩中もコミュニケーションをよく取りますし、仕事で困ったことや相談は積極的にしているので、風通しがいいと思います。年齢や性別の隔たりなく接することができるのも特徴で、珍しい会社だと思います」
——最後に、これから入社を考えている方にメッセージを一言お願いします。
「弊社は非常に働きやすい職場です。入社を迷っている方がいたら、職場見学も可能ですので気軽に申し込んでください。会社のほうでもバックアップしながら、ご本人に合った部署・仕事を与える環境が整っています。遠慮なく応募、相談してもらえればと思います」
「人が財産。しっかり人にお金をかけて会社で人財を育てていく」

株式会社丸互 代表取締役社長 前川秀樹氏
新しい事業に次々と挑戦しながら、採用や社員の教育に至るまでしっかりと向き合う同社の取り組みについて、前川社長に詳しく伺った。
——人財育成について特に今、力を入れていることはありますか?
「弊社は昔から階層別教育に力を入れていて、中間管理職や部門長クラスにセミナーや研修を受けてもらっています。専門のコンサルティング会社に依頼をして、1年間で7〜8回程の研修を実施しており、自分の役職や立場に求められていることを認識してもらうための場にしています。弊社のような地方の中小企業は、人が財産です。今頑張ってくれている人を自分たちで育てていく必要があります。そうじゃないと定着もしないし、この会社で頑張ろうという気になってもらえません。だから教育には惜しみなくお金をかけて、任せられる人材を育てていこうと考えています」
——研修を通して、効果を実感したことを教えてください。
「約20年前になりますが、無断欠勤が多い社員がいました。なかなか治らなくて、私も強く説教をしたことがある社員だったのですが、外部研修を受けたらまるっきり変わりました。当時その社員は30代だったと思います。自分の仕事の仕方や価値観が既に形成されている中堅の年でも、研修で変わるんだなと本当に驚きました。今もその社員はうちで活躍してくれていますし、会社にとって重要な存在です」
——御社で働く上で、最も大切にしてほしいことはなんですか?
「正直でいることです。周りの企業や銀行などの取引先からも、丸互の社員はとにかく真面目で正直だと言われます。それは悪く言えば面白味がない、という見方もできますが、要は特別な何かを持っていなくても仕事で活躍できるということです。育てるのは会社の仕事です。だから、新しく入ってくれる人にも、とにかく真面目で正直でいる、ということを一番大事にしてほしいですね」

JM-DAWNでインタビューに答えてくれた前川社長
(インタビュー・文 井高あゆみ)
【会社情報】
株式会社丸互
本社:新潟県上越市春日新田4丁目1番1号
TEL:025-543-1105
FAX:025-543-8989
【Instagram】
https://www.instagram.com/marugo_joetsu/
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