【絢爛のジャポネスク】りゅーとぴあでアート・ミックス・ジャパン開幕!和の伝統芸術が異世界へいざなう

大和国総本山・長谷寺による「声明(しょうみょう)」のステージ

芸能、文化、芸術、さらに食、物産など和の粋を集めた日本伝統芸術の祭典、アート・ミックス・ジャパンが4月13、新潟市のりゅーとぴあ(新潟市中央区)をメイン会場に開催した。

「日本文化を1日で体験する贅沢 ―」アート・ミックス・ジャパン(以下AMJ)は、伝統芸能と現代アートが融合する日本文化の真髄に触れる芸術フェス。多彩なジャンルの公演を「はしご」しながら楽しめるスタイルに、毎年多くのファンが足を運ぶ。今年は2013年の第1回から数えて11回目の開催となる。

ホールでは「落語」が楽しめる

昔懐かしい「ちんどんや」が会場を練り歩く

開催初日の13日、注目のプログラムはまず鼓童のステージ。

佐渡の太鼓芸能集団・鼓童は、3年ぶりのAMJ出演。太鼓のアンサンブルによる重厚な音世界や、修道僧のような規律正しさ、深遠な求道的姿勢が鼓童の魅力と言われる。確かに究極なまでにシンクロする演奏を見て感じるのは「凄み」ではある。

ある種、求道的な凄みと同時に祭りの楽しさを感じさせる鼓童のステージ

太鼓と篠笛の厚みあるアンサンブル

しかし同時に、彼らのパフォーマンスには「祭りの楽しさ」がある。腹の底にまで届く太鼓の響きを通し、観るものはどんどん祭りに引き込まれるのだ。今年のプログラムも実に楽しく、美しくもあった。それは日本人のDNAにもれなく刻まれているビートだとも言える。

今年は特に、佐渡鬼太鼓座もAMJに参戦。世界遺産登録の佐渡が生んだ二つの太鼓芸術が新潟でクロスする贅沢が実現する。

また近年のAMJで最も観客動員力がある出し物「声明(しょうみょう)」も見どころ。初日には大和国総本山・長谷寺の僧侶による真言宗豊山派の声明が繰り広げられた。

観る者を千年の時空の向こうにいざなう長谷寺の声明

「僧侶のゴスペル」と言われる声明は、歌うように唱えられるお経を、実際の法要の形式に沿って見せるステージ。長谷寺の声明は「役者節」と呼ばれる独特の唱え方で知られる。10mを超える十一面観音像に届ける力強さと華やかさが観る者の魂を震わせ、千年の時空の向こうへいざなう。そんな異世界体験とともに訪れる、えも言われぬ「癒し」の感覚。これが声明の魅力だ。

今年のステージでは、大和の二大火祭のひとつ「だだおし」を再現したパフォーマンスを披露し、訪れた人々の無病息災が祈られた。

AMJは14日までの開催。14日には法相宗大本山・薬師寺による声明や、沖縄音楽やアイヌ音楽など日本版エスニックの融合、そしてM1チャンピオン・笑い飯の漫才など珠玉の話芸など盛りだくさんだ。

 

 

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