【北陸地方の建設会社では初】小柳建設、生理痛を擬似体験する研修を開催 男女ともに働きやすい職場づくりへ

21日の生理痛体験研修の様子。参加者が手に持っている白い機器が「生理痛VR体験装置ピリオノイド」
小柳建設株式会社(新潟県三条市)が4月21日と22日、職場における相互理解を深めるため、男性社員を主な対象とした生理痛体験研修を実施した。生理の痛みが疑似体験できる機器を使いながら、職場環境の改善について話し合うもので、北陸地方の建設会社では初の試みだという。
小柳建設では2022年から、男性社員が生理痛への理解を深めるための研修を実施しているが、今回は体験型の研修を導入。21日の研修の冒頭で同社総務部の月岡良一部長は「いくら学んでも、男性はイメージでしか生理痛を知ることができない。また個人差があるので、女性同士でも共感しづらい部分がある。疑似体験によって、生理痛を他人事ではなく自分ごととして考えるきっかけをつくり、相互理解を進めたい」と話した。
研修は21日と22日に計3回、計60人が参加。女性の部下がいる現場のリーダー層の男性社員などを中心に、女性社員も加わった。
今回使用された「生理痛VR体験装置ピリオノイド」は、下腹部に貼るパッドからの電気刺激で生理痛を再現するもの。弱から強の3段階で痛みを調節でき、いつどれだけの痛みが来るか分からない「ランダムモード」も搭載する。

研修は同社加茂オフィスで行われた

研修の後半は、痛みが不規則に変化する「ランダムモード」を起動したままグループワークを行った
研修では生理に関する解説のあと、生理痛の疑似体験へ移行。さらにその後は「ランダムモード」を起動したまま、女性が働きやすい職場環境について考えるグループワークを行った。参加者の男性社員たちは話し合いの中で時折苦しそうな表情を浮かべ、「話に集中できない」や「これで車の運転は無理だ」と呟く声も聞こえてきた。
生理やPMS(月経前の心身の不調)などにより、職場で悩みを抱える女性は多い。一方で、男性はハラスメントになることを恐れ、生理痛などの話題に踏み込むことができないという課題もある。グループワークでは、女性社員の意見も取り入れながら、互いに体調不良を言い出しやすくする工夫や風土、現在小柳建設にある生理休暇の拡充といった制度面の改革なども話し合った。
研修に参加した土木工事部の30歳代男性社員は「(生理痛の疑似体験は)驚くほど痛くて、これは業務に集中できないなと思った。個人差はあるだろうが、つらい人はとてもつらいだろうし、他人事には感じられなくなった」と語る。チームリーダーとして女性の部下もいるため「一緒に働く仲間なので、働きやすい職場、業務のしかた、仕組みについて、今回体験した我々が知恵を出し合って、良い方向に向かって行けたら」と話した。
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