コジマタケヒロのアルビ日記「最大の補強 福田晃斗選手」
アルビレックス新潟のリーグ中断による長期オフが7月29日に明けた。この前日、28日に術後8カ月を迎えたのが、福田晃斗選手。昨年11月8日、ギラヴァンツ北九州戦で左ひざ前十字靱帯断裂、左ひざ外側半月板損傷という重傷を負った。
そんな彼がピッチに戻ってきたのは、当初の予定より早い、7月3日のJ2第21節。折り返しとなるジュビロ磐田戦。本間至恩に変わって72分にピッチに立った。
「普段なら絶対ないんですが、(ケガをした)あのときは奥さんの前で泣きました。そのくらい絶望的というか、不安でした。リハビリ中も本当に復帰できるのかって不安しかなったから、実際ピッチに立てたときは家族をはじめ、リハビリ中、支えてくれた方々に感謝しか浮かばなかった。実は、昨日(7月28日)で、ちょうど術後8カ月だったんで、トレーナーさんとか、先生とも話をしました。本来ならこの長期オフを目掛けて最後に(コンディションを)上げていって、オフ明けに復帰って予定だったねって。でも、その予定よりも早く復帰できて、2、3試合やった後で長期オフに入れたというのは自分の中で非常に大きかった。復帰日と考えていた今日(7月29日)が初めての練習なのか、それとも2、3試合終えて、しっかりと長期オフをとってから臨む練習なのか、全然意味が違うと思うんです」
復帰が早まり、予定よりも早く試合に臨めたことで、自分の課題も見えた。
「試合感はまだ戻っていないところもある。例えば、ケガをする前はボールを見ずに感覚でこのあたりに転がってくるとか、浮き球でもこのあたりでトラップすればというのが大丈夫っていうのがあった。でも、今はその感覚がズレるときがある。思ったよりもボールの位置が低かったりして、トラップの位置がズレてしまうような。でも、こういった感覚は練習や試合をやって積み重ねていくもの。だから、予定より早い段階で復帰できたのは大きいんです。その一方で、ケガをする前よりも強くなったなって思うところもあります。ボディバランスとパワー。もともとのストロングポイントだったボディバランスに復帰までの間でプラスされたパワーが今季はあります。太ももだってケガをする前より今のほうが太いです。このパワーが自分の中でもっと馴染んできたらさらにいいプレーができると思っています」
復帰からの3試合、確かに以前にも増して、ピンと背筋を伸ばしたプレー姿勢は、激しいボディコンタクトでも崩れなくなった。ピッチ内を見渡すかのような姿勢で、瞬時に前線へのパスをスッと通したり、相手の危険な侵入を未然に防いでいる。
あれだけのプレーでも100%ではないという。
アルベルト監督が夏前によく言っていた「最大の補強は、福田晃斗」。本当にワクワクしかない。
◎アルビライター コジマタケヒロ
練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート