新潟県が新型コロナウイルス対策本部会議で県内需要喚起キャンペーンの一時停止を決定

対策本部会議後の記者説明で県内の感染状況について解説する福祉保健部の松本晴樹部長

新潟県は30日、第46回新潟コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、県外移動に関しての呼びかけの強化のほか、県民割引宿泊券などの需要喚起策の新規販売と予約の停止を決定した。なお、特別警報の発令に関して花角英世知事は会議後「新潟市と新発田市が発令基準寸前のところにあり、今回は見送ったが、必要があれば迅速に発令する」と話した。

現在県内では50歳代以下の感染割合が増加しており、また、これまでは若年層が感染しても無症状や軽症に留まる事例が多かったが、デルタ株拡大の影響から発症や重症化のリスクが高まっており、県福祉保健部の松本晴樹部長は「医療現場で中等症と言われている状態でも、継続的に酸素を吸引しなければいけない状態で、後遺症が残る可能性もある。中等症や重症患者が増えれば医療現場には負担がかかってくる」と危機感を示す。

一方で、感染経路の傾向としては県外から持ち込まれる場合が多く、またそれが飲食の機会で拡大する状況が増えている。こうした現状から県では、県民や県外からの移動者へ対する呼びかけを強化。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が適応されている都道府県との往来を「極力控える」ように注意喚起するほか、他県の人や普段顔を合わせない人との飲み会についても「控えるように」と慎重さを求めた。

対策本部会議後の取材に応じる新潟県の花角英世知事

またこれに伴い県内の需要喚起策である「Go To Eat 食事券(第2弾)」(7月10日から発売開始)の販売を一時停止するようキャンペーン共同企業体へ要請。8月3日から当面の間、販売を停止する。販売期間は当初8月31日、利用期間は9月30日を予定していたが、今回の販売停止などを受けて今後国などと協議していくという。

加えて、県民限定の宿泊キャンペーンも新規の予約受付を停止するよう調整する。一方で、両キャンペーン共にすでに販売、または予約されたものに関しては、県の認証制度を取得した店舗や、同居の家族などでの利用など、感染拡大のリスクが少ない状況での利用を呼びかけた。

花角知事は会議後の取材で「東京都や大阪府などで感染が急拡大しているが、新潟県も同じ状態になる可能性がある。県民の皆さんには、現時点では自制してもらい、ここで感染を食い止めたい」と話した。

なお、現在新潟市と新発田市では特に多くの感染患者が確認され、また感染経路が不明の人も多い状態にあるが、「特別警報」の発令基準には至っていない。一方で「(感染状況については)引き続き注視していき、必要があれば迅速に特別警報へ切り替える」(花角知事)という。

第46回新潟県新型コロナウイルス対策本部会議に参加する県内各自治体の市町村長

今回の対策本部会議では、県内の自治体の首長もオンラインで参加し、若い層へのワクチン接種の普及について話し合った。花角知事は会議後「現在県内の感染は、20から30歳代の人が7割近い。若い人へ対しては行動の自制を促すことと並行して、ワクチン接種をどう進めるか考えていかなくてはいけない、ということを市町村長と話し合った」という。

そして具体的な内容については「我々が役所的な言い方でワクチンの有効性などを話しても伝わりづらい。若者へ影響力のある人に、SNSなどで自身の体験などを踏まえて発信していってもらえるようにする」(花角知事)と話した。

 

【関連記事】
新潟県が新型コロナウイルス感染症対策本部会議で「警報」の再発令を決定、県民割キャンペーンなどは当面継続(2021年7月16日)

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓