新潟市北区で整備の進む福島潟水門
新潟市北区、新発田市、阿賀野市にまたがる福島潟――。地域住民の憩いの場であり観光地である一方、周辺住民は洪水などにも悩まされてきた歴史がある。例えば平成10年8月に発生した水害では、新潟市北区を流れる新井郷川が氾濫し、流域で水害が発生。床上浸水380戸、床下浸水1845戸、農地浸水62平方キロメートルの被害が出たという。
そこで新潟県などでは、30年に1回程度の洪水を安全に流下させるために、「福島潟広域河川改修事業」に着手した。福島潟周辺の雨水をいったん福島潟に集め、それを福島潟放水路で日本海へと流すための事業だ。
これまでに福島潟を囲む「湖岸堤」の整備、福島潟に集まった雨水を日本海へと流す「福島潟放水路」の整備などを行ってきた。そして今、仕上げともいうべき、「福島潟水門」の整備が進められている。この水門が完成し、福島潟と新井郷川の間に設置されれば、雨水が新井郷川に流れ込むことを抑え、福島潟に集まった雨水を福島潟放水路で日本海へと直接流すことができるようになる。これにより、新井郷川が流れる流域の治水安全度は大幅に高まるという。