新潟県の花角知事と北陸地方整備局の岡村局長が、県の重点事項や同整備局の事業などについて懇談
新潟県の花角英世知事と国交省北陸地方整備局の岡村次郎局長は5日、新潟県庁で新潟県の重点事項や北陸地方整備局の事業などについて懇談した。
冒頭の挨拶で岡村局長は、「(台風が日本のそばで発生してそのまま勢力を保ったまま上陸したり大雪が降ったりなど)気候が変動してきている。そうした中、防災・減災対策をやっていかなければいけないということで、今年度から5か年の加速化対策(防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策)で15兆円の大きな予算をいただいた。これをしっかりと執行して新潟県の安全安心を確保していく。また除雪作業の担い手の確保などに取り組まなければいけない。建設業もICT化に取り組まなければならない」などと述べていた。
花角知事は「近年、集中豪雨、集中降雪など、これまでにない大きな災害が発生し頻度も上がっている。こうした中でも県民の生命財産を守っていかなければならない。加速化対策もフルに活用させていただきながら、(対策を)進めていきたい。また新たしい課題としてカーボンニュートラル、脱酸素がある。そんな中で港湾についてはカーボンニュートラルポートに新潟港(東港)も選ばれていて、力を入れていきたい」と話していた。
懇談会終了後の説明によると、北陸地方整備局側からは今年度の事業の説明をした。一方、新潟県側からは、高速道路などの着実な推進整備や地方負担の軽減、ICTを活用した除雪などへの財政的支援、、新規事業化された両津港岸壁の老朽化対策(岸壁改良事業)の推進、カーボンニュートラルポート形成に向けた取り組みへの支援などについて要望したという。
なお今年度北陸地方整備局で進めている主な事業には以下のもの(一部抜粋)があるという。
・大河津分水路改修事業
・国道49号 水原バイパス(阿賀野市市街地の交通渋滞の緩和などを目的とする道路)…来年度に阿賀野市百津〜下黒瀬間の5.4キロメートルが開通し、今後5年程度で阿賀野市寺社〜百津間の2.7キロメートルが開通する予定。
・国道253号 上越魚沼地域振興快速道路(上越から南魚沼市に至る約60キロメートルの道路)=今年度、上越三和道路は軟弱地盤対策などの改良工事を推進し、十日町道路は、地質調査や道路設計を推進する。また八箇峠道路は用地買収、改良工事を推進する。
・朝日温海道路(村上市の朝日まほろばIC〜山形県のあつみ温泉ICの40.8キロメートルの道路)…(仮称)1号、2号、4号、11号トンネルに続き、今年度に9号トンネルの着手を予定。
・国道289号 八十里越(三条市大字塩野渕〜福島県の只見町大字叶津間の11.8キロメートルの道路)…今年度は調査設計、改良工事、トンネル工事、橋梁工事を推進。今後5年程度で全線開通を予定。
・国営越後丘陵公園…今年度は同公園内の「里山フィールドミュージアム」未開園区域の「かわべの里」「森のめぐみの里」において基盤整備を実施。
・新潟駅交通ターミナル整備事業(新たな中・長距離バスターミナル)…民間の需要調査を行っている段階。
・柏崎バイパス…来年度に柏崎市城東〜同市鯨波間3.6キロメートルの開通を予定。
・両津港 湊地区 岸壁改良事業
一方、花角知事が注力する産業や港湾のカーボンニュートラル化で新潟県は関東経済産業局と連携し炭素社会実現に向けた協議会を立ち上げて今年3月に「新潟県カーボンニュートラル産業ビジョン」を策定したほか、北陸地方整備局と連携し新潟港におけるカーボンニュートラルポート検討会を立ち上げて今年3月に目指す方向性を提示している。