新潟大学で解剖体慰霊祭が執り行われる
敬意と感謝の気持ちを胸に
新潟大学の解剖体慰霊祭が17日、旭町第二体育館においてしめやかに執り行われた。参列した遺族、医学部・歯学部の学生、大学関係者、白菊会の会員ら391名は黙祷を捧げ、敬意と感謝の気持ちを胸に献花を手向けた。
新潟大学医学部は明治43年創立。その翌年以降毎年、解剖体の御尊霊を祀る慰霊祭を行なっている。109年目となる今年は、病因の詳しい解明のために行われる病理解剖79柱、人体の複雑な構造と機能を学ぶための系統解剖56柱の合わせて135柱が祀られた。これまでの総数は2万1997柱となる。ご遺体は生前の本人の意思の元、ご家族の同意を得て献体されている。
新潟大学の染矢俊幸医学部長は、「解剖という行為を通して、ご献体から多くのことを学ばせていただいている。学生たちが生命の尊厳について考え、医師・歯科医師に必要な倫理観や、他人を敬う心を養う重要なもの。教職員、学生一同信心たる敬意と感謝を捧げ、医療の未来に対し新たな決意と覚悟を誓う」と弔辞を述べた。
参列した学生は、「解剖実習は多くの方のご厚意でできるもの。追悼と感謝の気持ちで、これからも全力で学ばなければと改めて思う」と話していた。