新潟市南区の「旧白根配水塔」登録有形文化財登録を記念して案内板の除幕式
新潟市南区白根のランドマーク的存在
新潟市南区は18日、同区白根のランドマーク的存在である「旧白根配水塔」が昨年5月10日に国の登録有形文化財になったことを記念し、案内板の除幕式と登録プレートの設置式を行った。
式は、新潟市南区の渡辺稔区長、白根コミュニティ協議会の和田進会長、近代水道施設の研究で知られる長岡造形大学の平山育男教授のほか、地域住民などが参加して行われた。挨拶に立った渡辺区長は、旧白根配水塔の敷地で「お月見コンサート」を開催してきた白根コミュニティ協議会をはじめとする関係者への感謝を述べたほか、今後もイベントサポートなどを行っていく方針を語っていた。また和田会長は、6月に行われる白根大凧合戦に「登録記念の祝い凧」が登場することや、旧白根配水塔の敷地内にプランター(花)など設置する計画を検討していることについて語っていた(このほか、南区役所だより2018年3月18日号によると、花見や白根大凧合戦の期間などにライトアップされるようだ)。
新潟市南区の白根(旧白根市)は低湿地帯で水質が悪く、早くから上水道の普及が希求されていた。そうしたなか、昭和6(1931)年5月に、町の約3割が焼失する白根大火が発生し、上水道施設の必要性が強く認識された。それを受け、白根配水塔が建設されることになり、昭和8(1933)年3月に竣工した。鉄筋コンクリート造で内部は4階建て、上部に100立方メートルを貯水するタンクが設置されている。
昭和48(1973)年に施設としての役目を終えたが、その後も白根大火からの復興を象徴する地域のランドマークとして、隣接する白根庭園とともに良好な景観を形成している。
なお旧白根配水塔のチラシによると、戦前に作られた上水道配水塔は旧白根配水塔を含めて全国で20基、新潟県内で4基(新潟市南区、江南区、長岡市、燕市)が現存していて、県内の4基はいずれも登録有形文化財になっているという。
【旧白根配水塔】
所在地/新潟市南区上下諏訪木字川原10-1
構造・形状など/鉄筋コンクリート造、直径8・1メートル、高さ26メートル