デンカ株式会社が2022年3月期第1四半期決算(連結)を発表、営業利益が過去最高に

デンカ株式会社青海工場(新潟県糸魚川市)

デンカ株式会社(本社:東京都中央区)は6日、2022年3月期の第1四半期決算を発表した。売上高は867億2,700万円(対前年期比13.8%増)で、営業利益は77億4,800万円(同76.0%増)、経常利益は75億2,100万円(同50.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は61億5,600万円(同46.9%増)。成長分野製品の伸長により営業利益は第1四半期連結累計期間として過去最高となった。

第1四半期連結累計期間の業績は、新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ需要が全般的に回復したほか、特に電子・先端プロダクツ製品で世界的な半導体需要の拡大を受け、販売数量が増加した。このほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しもあり、売上高は前年同期に比べ104億9,400万円の増収となった。

各部門ごとの状況については以下の通り。

 

電子・先端プロダクツ部門

売上高は209億6,800万円と、前年同期比38億7,900万円(22.7%)増収となり、営業利益は43億6,400万円と前年同期に比べ15億7,700万円(56.6%)の増益となった。

球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックはxEV関連を中心に販売が伸長した。また、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、5G関連やデータセンターなどの世界的な需要の拡大により好調に推移した。

このほか、LED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”や自動車産業用向けの金属アルミ基板ヒットプレート、工業用テープの販売も増加したが、高信頼性放熱プレート“アルシンク”や高熱伝導性セラミックス基板“ANプレート”は電鉄向けの需要が低調となった。

 

ライフイノベーション部門

売上高は59億6,900万円と前年同期比6億9,400万円(13.2%)増え、営業利益は3億3,300百万円と前年同期に比べ3億200万円(999.77%)の増益となった。

新型コロナウイルスの抗原迅速診断キット“クイックナビ ™ -COVID19 Ag”は順調な販売だった。また、そ
の他の試薬についても販売数量が増加し増収となった。

 

エラストマー・インフラソリューション部門

売上高は245億5,400万円と前年同期比47億5,400万円(24.0%)増収となり、営業利益は5,200万円と前年同期に比べ1億9,800万円(78.9%)の減益となった。

クロロプレンゴムは、前年は感染症拡大による世界経済低迷の影響を大きく受けたが、自動車など関連産業の生産活動再開とともに回復に転じてきており、前年を上回った。また、肥料や農業・土木用途向けのコルゲート管、耐火物・鉄鋼用材料の販売の販売も堅調となったが、セメントや特殊混和材の販売は前年を下回った。

 

ポリマーソリューション部門

売上高は、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しもあり、317億5,100万円(前年同期比64億100万円(25.3%)増収となり、営業利益は25億6,600万円と前年同期に比べ12億5,000万円(95.1%)の増益となった。

ABS樹脂、デンカシンガポール社のMS樹脂やスチレンモノマーの販売は堅調に推移した。また、合繊かつら用原糸“トヨカロン”は需要の回復により前年を上回り、雨どいや食品包材用シートおよびその加工品の販売も概ね順調となった。

 

その他部門

売上高は34億8,400万円(前年同期比52億3,600万円(60.0%)減収となり、営業利益は4億3,700万円(前年同期は4,600万円の営業損失)となった。YKアクロス株式会社等の商社は、需要の回復により取扱高は増加したが、収益認識に関する会計基準の適用により減収となった。

 

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