新潟市秋葉区でスマート農業の実証プロジェクトの発表会が行われる

農水省の「スマート農業技術の開発・実証プ ロジェクト」の一つ

農水省の「スマート農業技術の開発・実証プ ロジェクト」において、新潟市が提案していた2つの水田作の実証プロジェクトが事業採択された(全国で69 事業が採択)。 それぞれのプロジェクトで、民間企業などとともにコンソーシアムが設立され、29日、両プロジェクトの発表会&説明会が行われた。

2つのコンソーシアムは株式会社新潟クボタ、積水化学工業株式会社、株式会社NTTドコモなどが名を連ねる「新潟市スマート農業複合経営モデル実証コンソーシアム」と、井関農機株式会社、国際航業株式会社、ウォーターセル株式会社などが名を連ねる「スマート農業企業間連携実証コンソーシアム」(コンソーシアムの詳細は新潟市の報道資料の3枚目に記載している)。

このうち、「新潟市スマート農業複合経営モデル実証コンソーシアム」は29日、白銀カルチャー圃場(新潟市秋葉区内)で発表&説明会を行った。

コンソーシアムのメンバーは、新潟市(代表)、農研機構中央農業研究センター、農研機構農村工学研究部門、新潟県農業総合研究所、新潟農業普及指導センター、株式会社クボタ、株式会社クボタアグリサービス、株式会社新潟クボタ、積水化学工業株式会社、株式会社NTドコモ。そして、これまでも農研などとスマート農業の取り組みを行ってきたという株式会社白銀カルチャー(生産者、新潟市秋葉区)の11団体・社。

クボタの自動運転トラクタ(アグリロボトラクタ)

この日の発表には、クボタの自動運転トラクタ(アグリロボトラクタ)、と既存トラクタに自動操舵システム(直進アシストシステム)を後付けしたトラクタの2台が登場。レベル2(作業員の監視下での無人走行)の走行実験を披露した。

まず先行車として、自動運転トラクタ(無人)が走行し、耕うん(土を耕す)作業を行った。そして、耕うんが終わった場所を、2台目のトラクタ(運転手1人)が走り、播種(大豆の種まき)作業を行っていった。2台目は、既存のトラクタに(新規購入に比べて)安価な投資額で、自動操舵を後付けしていることから、運転手は1台目の走行を監視しながらも(わき見しながらも)、まっすぐに走ることができる。このため播種の作業はきちんと行えるという。

従来、この耕うんと播種作業には2人の人員が必要だったが、このシステムでは1人でできるため、余剰人員を付加価値の高い園芸部門に配置し、農業生産法人などの高収益化を目指すことが可能となる。

なお自動運転などのデータはクラウド上に蓄積していくため、運転ノウハウを可視化でき、技能の伝承なども行いやすくなるという。

積水化学工業の自動給水栓と、NTTドコモの水田センサー

一方、この日、事件が行われたほ場の周辺には25基の自動給水栓が設置されており、この給水栓と、NTTドコモの水田センサーについての説明も行われた。

自動給水栓は、生産者が事前に立てた水位の計画に基づいて、開閉の時間帯を)事前に設定(タイマー設定)しておけば、それに合わせて自動で栓が開閉するので、田んぼの水位を自動管理できる。電源は太陽光パネルとバッテリーで、1年程度はメンテナンスフリーでも大丈夫という。

また、最高位クラスのモデルは、スマホで遠隔開閉ができる。このため、24時間365日水位を遠隔か視できるNTTドコモの水田センサーとセットで使えば、遠隔でリアルタイムの水位を監視・管理できるようになる。

なお、今回、このコンソーシアムの生産を担っている株式会社白銀カルチャーは、85・8ヘクタールの面積を経営(水稲、大豆、大麦、枝豆、さといもなど)している。代表取締役は荒木康男氏で、従業員は15名(社員10、パート・アルバイト5)。今回の実験では85・8ヘクタールのうち、73ヘクタール(水稲、大豆、枝豆)を使うという。

こちら側に向かってくるトラクタ(上写真。右が無人トラクタ、左が有人トラクタ)が、われわれの手前でそれぞれ右に移動してUターン。有人トラクタ(左)は、無人トラクタが耕うんした場所に播種していった(下写真)。

積水化学工業の自動給水栓と、NTTドコモの水田センサー

積水化学工業の自動給水栓

白銀カルチャー代表取締役の荒木康男氏(写真中央)。

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