新潟交通株式会社(新潟市中央区)が2022年3月期第1四半期決算(連結)を発表、業績は改善するも感染症拡大前の水準を下回る状況続く
新潟交通株式会社(新潟市中央区)は12日、2022年3月期第1四半期決算(連結)を発表した。なお「収益認識に関する会計基準」等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用している。
売上高は33億4,500万円(前年同四半期は△24億7,700万円)、営業利益は△1億8,300万円(前年同四半期は△10億1,000万円)、経常利益は△1億7,200万円(前年同四半期はは△10億5,900万円)、親会社に帰属する純利益は△8,400万円(前年同四半期は△7億9,600万円)となった。全国に緊急事態宣言が発令された前年同期に比べて回復したものの、依然として感染症拡大前の水準を下回る状況が続いているという。
セグメントの業績の概況は、次の通り。
運輸事業
サービス開始10周年を迎えた新潟交通ICカード乗車券「りゅーと」のキャンペーンを実施し需要喚起を図ったことなどにより、一般乗合バス部門全体では前年同期比増収となった。しかし、新潟県独自の警報による外出自粛などの影響により厳しい状況が続いており、その回復は限定的なものとなった。
高速バス部門では、今年4月の緊急事態宣言発令により一部の県外高速路線において運休の影響を受けたものの、前年5月に全路線を運休した前年同期の反動により、高速バス部門全体では前年同期比増収となった。
貸切バス部門では、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、一般団体やバスツアーなどの貸切需要が依然として低調に推移しているものの、修学旅行を主とした学校関連を中心に受注したことなどにより、前年同期比増収となった。
この結果、運輸事業の売上高は14億8,900万円となった。
不動産事業
万代シテイ(新潟市中央区)で、感染防止策を徹底したうえで、集客を高める販売促進や催事・イベントを企画実行したことと、4月および6月に新店舗の誘致を実施するなど街区の魅力向上に努めた。これにより、同社が運営管理するビルボードプレイス(BP)およびBP2の休館により賃料を減免した前年同期よりも、賃料収入および駐車場収入は増収となった。
この結果、不動産事業の売上高は6億8,100万円となった。
商品販売事業
観光土産品卸売部門では、催事売店を撤退した影響があったものの、主力の土産卸売において、新商品の販売や観光施設が休館した影響を受けた前年同期よりも需要回復が見られたことなどにより、前年同期比増収となった。
この結果、商品販売事業の売上高は3億円となった。
旅行事業
旅行業では、今年4月の緊急事態宣言発令により募集型企画旅行および一般団体手配旅行は低調に推移したものの、修学旅行を主とした学校関連団体を中心に受注したことに加えて、「収益認識に関する会計基準」などの適用もあり、前年同期比増収となった(なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用前に換算した場合においても前年同期比増収となっている)。
この結果、旅行事業の売上高は2億9,000万円となった。
旅館事業
新潟市内の「万代シルバーホテル」、佐渡市内の「国際佐渡観光ホテル八幡館」ともに新型コロナウイルス感染症に伴う宿泊・宴会・ツアーのキャンセルや新規設定の見送りなどの影響により、依然として宿泊・宴会需要は低迷しているものの、催事団体客や修学旅行の受け入れなどにより売上高は前年同期比増収となった。
この結果、旅館事業の売上高は1億7,500万円となった。
その他事業
広告代理業においては、新潟市が発行する「地域のお店応援商品券」事業を受注するなど好調に推移したものの、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、前年同期比減収となった(なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用前に換算した場合においては前年同期比増収となっている)。
航空代理業においては、航空会社との地上業務受委託契約内容の変更による影響などにより、前年同期比減収となった。
清掃・設備・環境業においては、環境部門におけるリサイクル単価の上昇や定期収集、定期清掃、光触媒などの受注により、前年同期比増収となった。
この結果、その他事業全体の売上高は4億700万円となった。
一方、連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により事業環境が依然として不透明であり、収束時期によっては業績に与える影響が大きく変動するため、適正かつ合理的な業績予想の算出が現時点で困難であると判断し未定とした。