「国境離島活性化プロジェクト」で東京のシェフたちが佐渡島を訪問
国境離島便セレクトボックス
「日本の国境に行こう!!」プロジェクト推進事務局(事務局=内閣府・有人国境離島政策推進室)は、今年4月の有人国境離島法の施行をきっかけに立ち上がった。
第一弾として、7月27日に、特定有人国境離島地域(※)の関係者が参加して「国境の島サミット」を開催したほか、ホームページを立ち上げた。また、離島の一次産品の販売拡大や、観光ツアーを通じ、離島を活性化させようというプロジェクトも進んでいる。
その販路拡大の一環として、東京のシェフたちが6日、佐渡島を訪問した。同島の魚介などの生産者を訪問し、佐渡の誇る一次産品を見て回った。7日も引き続き、佐渡の生産者を訪問するという。
佐渡を訪れたのは、板前割烹「上越やすだ」(東京・新橋)料理長の上田泰弘氏と統括店長の渡邉国明氏、フレンチレストラン「レストラン 間」(東京・恵比寿)オーナーシェフの表成治氏、イタリアンレストラン「タロス」オーナーシェフの馬場圭太郎氏。
6日は、齋藤農園や、石原水産(=写真)を訪問した。7日は、尾畑酒造、佐渡海洋深層水、佐渡特産市場などを訪れる予定。
今回参加したシェフたちは今後、少量多品種の魚や野菜などを一つのボックスにまとめて、注文のあった各飲食店に送付する「国境離島便セレクトボックス」を使って、佐渡などの一次産品を仕入れていくことを検討していく。
なお、共同配送となるセレクトボックスでは、添付の表の通り、地域商社などが、各漁業者や農業者の産品を取りまとめて箱詰めする必要がある。魚介類については石原水産、それ以外の農産物などについては、佐渡特選市場の運営会などで構成する「チーム佐渡島」が取りまとめを担うそうだ。
また、セレクトボックスの輸送には、毎日東京の消費者に佐渡の魚介類を輸送する石原水産の輸送網を活用。「石原水産の輸送トラックに載せてもらうことで輸送コストの引き下げを図ることができます」(関係者)と話す。
「一次産品の流通・販売網の構築・拡大には、まず東京の消費者に、その素晴らしさを分かってもらうことも必要になります。このため、10月に都内の複数の店舗で、離島の素材を使ったメニューを提供するキャンペーン(イベント)を行う予定です」(同)
アイランドホッピング・ツアーも
一方、離島プロジェクトでは、セレクトボックス以外にも、「安価な共同輸送を活用した築地市場への直送ルートの構築」「活魚トラックによる安価な共同輸送体制の構築」にも取り組んでいく。こうした取り組みで、「輸送コストの面から、これまで東京へ送れなかった名産や活魚なども送れるようにしていきたいと考えています」(関係者)
一次産品の販売以外にも、アイランドホッピング・ツアーを通じ、離島の活性化を図っていく計画だ。「著名なインフルエンサーが帯同し、チャーター機を用いて、複数の島をめぐるアイランドホッピング・ツアー行います。11月上旬に行う予定です」(同)
(※)日本には、周囲100m以上の島だけでも約6800島あり、小さなものまで入れると数万あると言われている。また有人国境離島地域は、29地域・148島あり、このうち、本土から遠隔の地に位置し、人口が著しく減少している地域を「特定有人国境離島地域」(15地域・71島)に定めている。