新潟空港の活性化や民営化を検討する会議が開催される
今年度中に目指す方向性やロードマップを作成
「新潟空港A滑走路や周辺用地の有効活用」と、「コンセッション(民営化)」の導入を一体的に考えていく「第1回 新潟空港活性化検討会議」(座長=水口幸司・新潟県交通政策局長)が4日、新潟市内で開催された。
コンセッションは、行政が、道路、空港、上下水道などの公共インフラの土地や建物を保有したまま、運営権(30~50年間)だけを民間企業などに売却する手法。行政は、民間事業者に公共施設の運営事業を任せることで財政負担なく、整備・維持運営することができるようになるほか、運営権の売却資金を原資に、債務などを圧縮することができる。民間企業にとって、これまで参入できなかった市場に参入できるメリットがある。
国交省のホームページによると、空港では、関西国際空港と伊丹空港、仙台空港、高松空港、福岡空港、但馬空港、神戸空港、鳥取空港、静岡空港、南紀白浜空港などで実施されている。ただ、第3セクターでない純粋な民間企業による民営化(コンセッション導入)は、相当数の利用者がある空港に集中しているようだ(※ただ静岡空港は年間利用者が100万人以下だが三菱地所・東急電鉄グループが富士山静岡空港の株式の8割を取得するとともに今年4月に同グループにより民営化。南洲白浜空港も年間利用者10万人台だが南紀白浜エアポートにより民営化されている)。
こうしたなか、同会議は、新潟空港の民営化を視野に、関連産業の空港周辺への誘致など、これまでの新潟空港の利用者増とは別の視点から新潟空港の収益力向上策を検討するために開催した。メンバーには、学識経験者、行政(交通政策担当)、交通事業などのほか、経済団体、行政(産業・観光政策担当)、観光協会などが名を連ねている。
第1回の4日の会議では、昨年度の検討会議で存続が決まったというA滑走路の有効活用策などをゼロベースでフリートーク。「滑走路を廃止して跡地使用をしていくべきという意見、存続して有効活用すべきという意見の両方の意見が出ていた」(県交通政策局)という。
A滑走路を廃止し跡地を利用する場合、空港周辺の他の土地を利用する場合に比べて、土地買収の手続きなどがないため、比較的スムーズに、航空関連産業や人材育成機関(パイロット・メンテナンス人材など)の誘致活動が行えるようだ。一方、存続して利用する場合、ビジネスジェット(プライベートジェット)の受け入れなどに活用できるようだ。
今後は9月に全体会議を行い、目指すべき方向性を絞り込み、その後、11月にワーキングチームによる具体案の検討を行う。さらに来年1月に再び全体会議を開催し、目指すべき方向やロードマップなどを決める。