新潟県内の大気中モニタリング調査地点1か所でトリクロロエチレンが基準値を超えて検出
基準値超えは平成9年に調査開始以降初めて
新潟県は6日、4月に行った「大気中のモニタリング調査」において、調査地点1か所でトリクロロエチレンが基準値を超えて検出されたと公表した。場所は燕市蔵関で、基準値130μg/立方メートルに対し、トリクロロエチレンの濃度は150μg/立方メートルだった。
ただ、この基準値は、行政上の目標であり、ただちに健康に影響を及ぼす値ではないという。また、環境基準が達成か未達成かは、年平均値をもとに算出しているため、今回の調査結果だけで環境基準が未達になることもないという。
ただ、1回といえども基準値を超過したことから、周辺のある事業所(金属加工部品に付着した油を洗浄するためにトリクロロを使用している事業所)への確認調査や、それ以外の要因の有無などの調査を始めている。部品についたトリクロロエチレンを乾燥させる際に大気中に出た可能性のほか、不法投棄やドラム缶などからの漏洩事故など様々な可能性を調査する。
県では大気汚染防止法に基づき平成9年度から大気中の環境モニタリング調査を毎月行っている。調査地点は、12地点(燕市6、長岡市2、胎内市、三条市、上越市、妙高市)。過去に河川中のトリクロロエチレンが基準値を超過したことはあったが、大気中では初めてという。なお蔵関を含む6地点は今回初めて調査地点に追加された箇所であるため、前回の調査測定値はない。