新潟県上越市長選に出馬の中川幹太氏が記者会見、「しがらみのない政治が一番大事なこと」
今年10月31日投開票の新潟県上越市長選に立候補を表明している元上越市議の中川幹太氏は18日、政策発表に関する記者会見を上越市内の自身の選挙事務所で開いた。
中川氏は冒頭、「現職の村山秀幸市長とその前の市長を合わせて20年あったが、借金を返したり、安定的な財政運営をやってきたりという話をしているが、上越市は平均で毎年1,200人ずつ人口が減っている。つまり、経済も縮小するし、財政も厳しくなるので、安定期な行政運営は借金を返すだけではありえない。人口が減っているということは、よそからくる人にお金を落としてもらい、地元企業がもっと潤わなければいけないということだ。この20年間はなされてこなかったと感じている」と話した。
中川氏は続けて、「村山市長も、今回立候補している野澤朗さん(元上越市副市長)も元々は行政マンだった。行政マンが本当の意味で政治家になれるのかというのは疑問がある。今の上越市は時代の流れに遅れていると常に感じており、行政マンでは市政は担えないと考えている。私はずっと民間で働き、地域おこしにも関わってきた。民間が活性化しなければ、市は活性化しないと思っている」と語った。
また、業界からの支援については、「建設業や交通会社などから資金の援助を受けていると、どうしても政策的には縛られてしまう。業界の支援を受けないことが、市民全体が幸せになる市政をやる上では、しがらみのない政治が一番大事なことなのではないかと思う」と話した。
政策のポイントは3つあり、まずは地域分権を挙げた。「上越市と合併した13町村の個性がなくなっている」とし、各地域が個性を出せる財政的な仕組みを作る考えだ。2つ目は医療と介護についてで、最後まで寝たきりにならない街を目指していかなければいけないとする。現状の制度では寝たきりになったほうが、介護職員の扱いが容易で介護報酬も高いという矛盾を抱えており、中川氏は「これを変えていかなければならない」と話す。上越市は介護保険の金額が新潟県内有数の高さであり、予防の医療と介護を進めていくと強調した。
3つ目は、人口減少が進む中で、「魅力ある街をつくっていかなければならない」と説いた。また、4つ目として、新型コロナウイルス感染症や災害についての対応を挙げた。中川氏は「豪雪や豪雨はこれからも頻発するので、避難訓練を何回も繰り返すことが必要だ。予想しないことが起こった時にどう解決するという応用力を身に付けることが大事になる」と語った。
一方、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働については、上越市長になった暁には反対すると明言した。中川氏は「東京電力は体質が変わっていない。おそらく、これからも変わらないと思う」と話した。
今後の活動については、コロナ禍でミニ集会が開きにくい状況であるため、街宣活動や挨拶回りなどを継続していく考えだ。
中川氏は平成29年の上越市長選で現職の村山秀幸市長に約1,400票差に迫り、惜敗した。今秋の上越市長選をめぐっては、現職の村山秀幸市長がすでに今季限りの勇退を表明。元副市長の野澤朗氏が立候補を表明しているほか、佐渡市の行政書士、後藤浩昌氏も立候補を表明している。また、元上越市長で現在、上越市議の宮越馨氏の動向も注目されている。
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