新潟県三条市、自宅療養などを対象にした食料品や日常生活用品を配達するサービス導入の検討を開始

滝沢亮市長

新潟県三条市の滝沢亮市長は20日、会見を開き、第5波が到来している新型コロナウイルス感染症対策の新たな取り組みを発表した。

具体的には、自宅療養や自宅待機となった人に対し、食料品や日常生活用品を配達するサービス(ほっとデリバリー)の導入を検討していて、関係予算を9月市議会に提出する方針だ。

配送品目や申し込み方法などの詳細は今後、事業者の打ち合わせの中で詰めていくことになるが、利用者が所定のラインナップから選択した商品(上限2万円)を経過観察期間中に2週間につき1回自宅に配送する。自宅療養者については、商品代、配送料とも公費で負担する。濃厚接触者となり自宅待機している人は、商品代は自己負担となるが、配送料は公費で負担する。

市では100人超の利用を見込んでいる。

一方、市内の感染状況を年代別に見ると、高齢者を中心にワクチン接種が進んだこともあり、60歳代以上の割合が41%(5月以前)から14%(7、8月)と大幅に減少している一方、10歳代以下の感染者数は相対的に増加している(8月6日から19日までの10歳代以下の感染者は感染者全体の約50%)。

こうしたなか、若年層の感染症対策として、熱中症の予防も兼ねて、教室の冷房設定を2度下げる「すこやか教室-2℃」を実施する。教室の冷房温度をこれまでの28度から2度下げることで、適度の換気を実施しながらも児童生徒が「マスクをつけていても快適に学習ができる環境」(滝沢市長)を提供することが狙い。市内28校の小中学校および義務教育学校で8月下旬の始業式から実施するという。「マイナス2度にこだわらず各学校には臨機応変に対応していただきたい」(滝沢市長)と話していた。

また滝沢市長は「市内の学校の先生は2回目のワクチン接種を基本的に終わらせている。保育士さんたちも同様に2回目の接種を終わらせている」と説明するとともに、保護者などに対し早期のワクチン接種を呼びかけていた。

なお9月20日に開催を予定していた「三条市成人式」を来年1月10日に延期することも発表した。

一方、ワクチン接種については、16歳以上の三条市民の8割以上がすでに接種済みまたは予約済みとなっているなか、今月18日に12歳から15歳までに接種クーポン券を発送したという。

滝沢市長は「このまま若年層の感染が拡大し学校内の感染が発生する状況になれば、秋のシーズンに活発になる部活動、体育祭、運動会などの学校行事の延期や中止、さらには国や県の判断にかかわらず、三条市独自で休校などの措置を実行せざるを得なくことも考えている」と危機感を募らせていた。

(文・石塚健)

ほっとデリバリーについて説明する滝沢市長

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