新潟県内に「小型燃料電池バス」の製造や導入の可能性を検討する会議が発足
今年度、新潟県内で製造し運用していける可能性を検討
小型燃料電池バス(FCバス)の製造や導入の可能性を検討する「第1回 小型燃料バス導入検討会議」が10日、新潟市中央区で開催された。
同会議は、雪国である新潟特有の気候など考慮しながら、究極のクリーンエネルギーといわれる水素で動くFCバスを新潟県内で製造し運用していける可能性を検討していく会議。行政(北陸地方運輸局、新潟県、新潟市)のほか、自動車関連や水素関連の事業を手掛ける県内外の民間会社(合資会社中北車体工作所、株式会社東京アールアンドデー、株式会社エノア、三井物産株式会社新潟支店、東芝グループ)、導入した場合の運営会社となることが想定される新潟交通株式会社、新潟大学で構成する。
第1回目となる、この日の検討会議では、小型FCバスは国内メーカーで量産化の具体的な動きが表面化していないものの、一定の需要があるとの意見が出ていた。また、「水素を化学反応させた際に出る熱を暖房などに活用できるため、暖房を作動させた時に電気を大きく消費する電気バス(EVバス)よりも有利」「国産のFCスタックと、海外のEVバスシャーシという既存技術の組み合わせで作れるのではないか」といった報告がされていた。
今後については、今年度、数回の会議を開催してバスの仕様や財源確保などを検討していくほか、トヨタ自動車株式会社の大型FCバスの試乗会などを行っていく。冒頭あいさつに立った県産業振興課の和久津英志課長は、「バスをどうやって作っていくか、バスをどうやって動かしていくかなどハードルは高いが、しっかりと検討していきたい」などと話していた。