新潟県佐渡市で高校生議会を開催、佐渡市政に若者の意見を【(株)佐渡テレビジョン(2021年8月5日)】
高校生の意見を取り入れ、若者にとっても住みやすい佐渡にしようと、実際に使用されている議場で高校生議会が8月5日に開かれました。この高校生議会は佐渡市の最上位計画となる総合計画に若者の意見を取り入れていきたいと佐渡市の企画課が初めて実施したものです。
事前に島内の高校生に佐渡の未来を考えてもらい、課題を解決するアイディアを出し合い、政策提案というかたちで発表します。この日はその授業に取り組んできた佐渡総合高校の1年生14人と羽茂高校1年生から3年生9人の23人がグループに分かれ参加しました。
はじめに、議会事務局の職員が現在21人の議員が在籍しているということ、首長と議員は住民が直接選挙で選ぶ二元代表制であること、また、市と議員が切磋琢磨しながら地域を良くしていこうとしているなど議会の仕組みなどが説明されました。その後、模擬議会が開かれ、各学校5つのグループの代表者が自ら考えた、政策提案や質問を一問一答形式で行いました。
羽茂高校のチーム生徒会のメンバーは、佐渡の人口減少に焦点をあて、子育て世代に移住してもらうために佐渡市で行われている取り組みを調べました。
「子育て生活支援特別給付金や子どもの医療費助成などがあり子育てしやすい環境である」と感想を伝える一方で、「天候が悪い時に遊べる場所が少ない」という子育て世代から直接聞き取った意見を加えながら実態などを市に質問します。
それに対し渡辺竜五佐渡市長が答弁に立ち、昨年から佐和田児童クラブの遊戯室を開放している事や真野活性化センターいぶき21といった場所の名前をあげ、「空いている既存の施設を今後活用していきたい」と話しました。
また、佐渡総合高校の1年B組の代表質問では、「ゴミのポイ捨てなどが佐渡でも多い」とし、「その現状をテレビや新聞などで観光客に伝えてみてはどうか」といった提案や質問をしました。
それに対し市長は「海洋プラスチックなどゴミの問題は国際的に問題視されている佐渡も例外ではない。今後、ゲーム感覚でゴミ拾いなどが行えるスポーツゴミ拾いなどを観光客にも提案していきたい」と話しました。
その他にも生徒たちは、二酸化炭素排出による地球温暖化問題などに触れ、「できる限り再生可能エネルギーを活用した発電方法に転換していくべき」といった内容や、「若者も住みやすく、楽しめるまちにするには公共交通機関のバスの本数を増やして欲しい」。また、「佐渡市民に向け地元の自然や伝統文化などを伝えるような取り組みをし、自らアピールしたくなるような仕組みを作ってほしい」など提案や質問が高校生から出され、佐渡市側もその質問に対しそれぞれの担当者が答えていました。
最後に渡辺市長は、「今回もらった提案や質問などは地方創生にとってとても大切。今後も授業などで出た提言は佐渡市に出して欲しいし、若者の意見を市政に反映させたい」と模擬議会をまとめました。
今回の議会は生徒たちにとってあらためて佐渡の魅力や課題を知る他、また佐渡の市政のあり方に触れる機会になったようです。なお、この高校生議会の模様は9月の112チャンネルの特別番組で放送する予定です。