エヌエヌ生命保険が中小企業の新型コロナ影響調査、「事業・業態の転換をしない」と回答した県3位は新潟県

エヌエヌ⽣命保険株式会社(東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、さまざまな経済的な影響が懸念されているなか、中⼩企業経営の実態を把握するため、8月上旬に全国の中小企業経営者※7,243名を対象とする調査を行なった。なお、この調査と同様の調査を昨年の3月末および4月末と、5月末から6月初め、6月末、11月上旬、今年の2月上旬にも実施している。

(※調査では従業員300⼈以下の規模の「会社経営者(社⻑、会⻑、取締役)」、または「従業員のいる⾃営業者」を中⼩企業経営者と定義している。)

調査結果によると、「新型コロナウイルス感染症による影響で会社の資金需要が「発生した」のは38.1%で、前回調査(2月上旬に実施)と比較すると微増。資金の調達方法として最多だったのは、「持続化給付金(経済産業省)」(57.3%)で、次いで「新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策⾦融公庫)」(35.5%)、「⾃治体の協力金・見舞金」(19.5%)だった。

資金需要が「発生した」の回答率を都道府県別にみると、福島県が最も高く(55.0%)、続いて沖縄県(49.2%)、山形県(48.1%)となった。

 

新型コロナウイルス感染症による経営環境の変化に伴い、検討・実施した施策は、「営業時間の短縮・休業」、「社内行事の縮小・休止」。なかには、「社長の給与0円」「役員報酬の減額」を検討・実施したという回答もあった。

実施した施策の回答率を都道府県別にみたところ、「営業時間の短縮・休業」は沖縄県(31.1%)、「従業員給与・賞与の減額」は徳島県(18.4%)が最も高い結果となった。

新型コロナウイルス感染症拡大により、事業・業態の転換をする中小企業経営者は1割程度(9.6%)にとどまった。転換内容は、「オンライン販路の変更・拡大」(47.6%)、「サービスの変更・拡大」(41.2%)となった。

都道府県別に、各項目の回答率をみると、「転換した」「転換予定」を合わせた割合は鳥取県(21.4%)、「転換しない」は島根県(97.8%)が最も高い結果となり、新潟県も3番目に高かった。

さらに、新事業と既存事業のどちらにより注⼒するか聞いたところ、「新事業と既存事業のどちらにも同じくらい注力する」と回答した割合が最も多く、59.1%だった。一方、「既存事業により注⼒する」(21.1%)と「新事業により注力する」(19.8%)の回答率はいずれも2割程度だった。

一方、約9割の中⼩企業経営者が(新型コロナウイルスワクチンの)職域接種を「実施しない」と回答した。実施しない理由は、「⾃治体接種で問題ないから」(68.6%)となった。

都道府県別にみると、職域接種を「実施しない」県1位は広島県(93.3%)、実施の意向がある(「実施」「予定していたが、中止となった」「一部実施したが、停止となった」の回答率を合算)県1位は大分県(22.6%)だった。

一方、ワクチンの職域接種を実施したいと考えている939人に、会社で実施する職域接種の種類について聞いたところ、「業界合同接種」(32.1%)と「地域合同接種」(30.1%)の割合が多く、いずれも3割程度だった。職域接種を実施する理由については、「社員や関係者の感染予防のため」(57.2%)、「接客業務のため」(51.9%)、「社員の健康不安解消のため」(51.0%)などが上位にあがった。「出社勤務の復調のため」という回答は10.9%だった。

ワクチンの職域接種を「実施しない」と回答した6,293人に、職域接種を実施しない理由を聞いたところ、「自治体接種で問題ないから」の回答率が⾼く、68.6%にものぼった。次に回答が多かったのは「業務に支障がないから」で、16.8%だった。また、各項目の回答率を都道府県別にみたところ、「自治体接種で問題ないから」は鳥取県(81.1%)、「業務に支障がないから」は大分県(31.3%)が最も高い結果となった。

このほか、半数近く(49.4%)の中小企業経営者が、会社経営に新型コロナウイルス感染症の影響がなくなる時期について「わからない」と回答。直近半年以内という回答は1割(10.6%)にとどまり影響の不透明さ、大きさを実感していることが浮き彫りとなった。

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