【参院選インタビュー】塚田一郎氏② 新潟の飛躍に秘策あり!!
参議院議員選挙が4日公示される。新潟選挙区から立候補予定の他候補については、記者会見などで伝えてきたとおりだが、今回、自民現職で3期目を目指す塚田一郎氏の人となりや政策を2回に分けて紹介する。2回目は「政策編」。
冬季五輪の誘致で「NIIGATA」を世界にアピール
塚田一郎氏(55)には、本県を飛躍させる秘策があるという。それが「2030年冬季五輪の新潟招致」。この「冬季五輪新潟招致」を最初に言い出したのが塚田氏だった。
前々回、2014年に開催されたロシアのソチ五輪では、新潟からスノーボード・ハーフパイプの平野歩氏、フリースタイルスキーの小野塚彩那氏、スキージャンプ団体の清水礼留飛レルヒ氏と、3人ものメダリストが出た。「そのソチ五輪の時です。この感動を新潟の子どもたちに見せたいと思い、すぐに冬季五輪の新潟招致に関する企画書を書きました。そして当時の知事や新潟市長、新潟経済同友会に持ち込んだのです」(塚田氏)。五輪誘致には莫大は費用もかかる。財政事情もあって、知事や市長の反応は今ひとつだったという。
国政に当たる国会議員だが、年金や社会保障制度など、国全体の仕組みを考えるのが本来の仕事だ。その一方で、地方から選ばれた国会議員は、地方の声を国政に届け、地方を元気にすることで国全体を底上げする役目も担う。ときの政府や他党を批判ばかりに目が奪われがちだが、それだけが仕事ではないのだ。
「今、日本に多くの外国人がやって来ていますが、東京や、京都を含む関西圏といった大都市圏から、次にどこへ行くかという部分で、新潟のインバウンド対応は遅れています。世界は新潟を知らないんですね。新潟の名を世界にアピールするため、そしてスポーツ振興といった観点からも、冬季五輪の新潟招致は大きな意味があると思います。さらに言えば、新潟の拠点性を形成するためのハードづくり、インフラ整備にとっても重要です」(同)
長野まで新幹線が延伸したのは、1998年の長野冬季五輪開催に合わせてのことだった。長野に限らず、五輪開催はハードづくり、インフラ整備のけん引役となっている。そんな中、6月に朗報がもたらされた。同月24日、国際オリンピック委員会(IOC)は、2026年冬季五輪を、イタリアのミラノ・コルティナダンペッツォの共催とすることを決めた。冬季五輪の2都市共催はこれが初めてだという。2026年冬季五輪だが、札幌が招致を断念。同市は2030年冬季五輪で、2度目の開催を目指すとしている。「これですよ、これ! 2030年冬季五輪を札幌と新潟で共催すればいいんです。これによって新潟空港への新幹線乗り入れや、将来の羽越新幹線構想にもつながるネットワーク整備に拍車がかかると思っています」(同)
かねてから懸案となっている上越新幹線の新潟空港乗り入れだが、県の財政状況を考えた場合、相当厳しいものがある。利用者が300万人の仙台空港でも、ようやく仙台空港アクセス線を維持している程度。利用者100万人超の新潟空港にとって、新幹線乗り入れは荷が重過ぎるようだ。
「冬季五輪新潟招致」の新たな秘策
ところで共催とはいえ、冬季五輪招致も負担が大きいのでは…? 「冬季五輪の開催は最低でも700憶円からの投資が必要になると試算されます。それを単独開催することはやはり難しい。共催ならすべての協議を行う必要はありません。例えば2020年に苗場でワールドカップを行うアルペン競技や、平野歩さんが出場するスノボなど、一部だけに新潟で開催すればいいのです」(同)
冬季五輪の招致に手を挙げることで、新潟の名が世界にアナウンスされ、認知度が一気にアップする。「中国を含むアジアのスキー人口は3億人といわれています。そのスキー客が新潟に来る仕組みを考えなければ。例えば新潟空港と湯沢のガーラスキー場が新幹線で直結となれば、新潟空港に外国からのスキー客が集中します。中国の航空会社だって、新潟に乗り入れたいと思うでしょう。まずそうした空港にしていかなれば」(同)
新潟の飛躍を勝ち取る起爆剤が「札幌との共催による2030年冬季五輪招致だ」と塚田氏は強調している。