コジマタケヒロのアルビ日記 「キーワードは全てを出し尽くす 島田譲選手」

島田譲選手(©ALBIREX NIIGATA)

アウェーで行われたJ2リーグ第27節、アルビレックス新潟は水戸を相手に0対4と大量失点を許し、試合に敗れた。オフ明けの8月31日、トレーニング開始予定時刻が過ぎてもなかなか選手たちは出てこない。予定時刻から50分が経過しても誰も出てこない。

「ミーティング、長いですね?」

番記者の間でそんな会話が出始めた矢先、いつものようにゴールキーパー陣が練習場に顔を出し始めた。続けて、コーチ&チームスタッフ。いつもならば、この後は、フィールドの選手たちが続き、最後にアルベルト監督が登場するのだが、この日は違った。アルベルト監督が先に顔を出し、少ししてから選手たち。いつもと同じように練習は行われたが、なんだか雰囲気が少し違う。張り詰めているわけではないが、ピリッと感があるような気がした。

練習終了後、島田譲選手と話をした。彼は今シーズン、選手投票により選ばれるチームの第3キャプテンを務めている人格者。

「このチームは、人間的にもすばらしい人が多くて、ピッチの中でもしっかりいいコミュニケーションを取ろうとして、掛け声とかポジティブな働きかけがとても多いです。ですが、そこにちょっと甘えてしまっている部分が少なからずありました。最後はなんとしても勝ち切る、守り切る。そういうところのこだわりを選手一人一人がもっと強く持って、お互いに要求しあうという厳しさをもっと出さなきゃいけないと、水戸戦での敗退後、強く思うようになりました。今日のミーティングでもそういった旨の話が監督からもありました。そういう意識があったから、今日のトレーニングの雰囲気が違ったのかもしれません。(2017年にJ1昇格を決めたとときの)長崎よりも今の新潟は、一人一人自立して物事を考えられる選手が多いし、やっているサッカーも洗練されている。ただ、監督も常に言っていますが、勝者のメンタリティ、なんとしても勝つ、どんなにカッコ悪くても泥臭くても勝つんだという姿勢が今、足りていない部分。日常のトレーニングから、そのあたりは変えていかないと」

チームが大敗した翌日、彼がアップした自身のインスタグラムにはこんなことが書かれている。「結果はどうあれ、どんな状況に立たされても、最後の最後まで自分の全てをピッチで出し尽くす事。昨日のゲームはチームとして、それを表現することができませんでした」と。

「あの試合、新潟から多くのサポーターの方が応援に駆けつけてくれているのに、やり切る姿勢が出せていないって感じました。だから、素直に反省しようという気持ち。それと昇格という目標に向けてまだまだ諦めるような状況ではない。ここからもう一回前を向いていこうという思いを負けたときだから発信しました。インスタをあげた後、あらためて感じたのは、新潟のサポーターのあたたかさ。負けた試合のときこそ、コメントをくれるんです。僕がもしサポーターの立場なら、怒鳴り散らしているくらい結果だと思うんですが、それでも一緒についてきてくれる。その人たちのためにも、俺たちがピッチで全部出し尽くすんだっていう気持ちや実際に100%出し切るところをこれからの残りの試合で見せていきたい。それが一番昇格という結果につながると思うので。そういう姿勢はもう一回、チームみんなでただしてやっていきたいと思っています」

◎アルビライター コジマタケヒロ

練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓