新潟市の中原八一市長と市内4JAの代表者が意見交換会

意見交換会の様子

新潟市は1日、市内のJA新潟市、JA新潟みらい、JA越後中央、JA新津さつき(今回は欠席)の代表者と、地域農業の課題や今後の展望について話し合う意見交換会(農政懇談会)を開催し、新潟市からは中原八一市長をはじめ、農林水産部長など関係部局が参加した。

懇談会の中ではまず、中原市長を始め各JAの代表者からも在庫の増加による米価の下落が深刻化している点が話題が上がった。さらに、国や県でも稲作からの転換を進めている園芸作物に関してJA新潟市の山崎俊文営農経済部長は「春先からの日照不足や低温、霜の害などによって、当地区の園芸の販売額は昨年より約1億円減少している(7月末時点)」と厳しい現状を説明する。

しかし一方で、南浜地区(新潟市北区)のスイカについては販売額と作付面積は拡大しており、大玉と小玉スイカ合計の販売額は1億円を突破し好調であるという。また、いくとぴあ(新潟市中央区)内の直売所「キラキラマーケット」は昨年12月に売り上げ5億円を達成した。

こうした勢いのある事業のさらなる拡大のため、スイカの選果施設の刷新や、直売所に現在よりも本格的な精米が可能になる施設を新設することを市へ求めた。山崎部長によると、消費者が自ら精米を確認できる点が売り上げの増大に繋がっており、こうした米と園芸作物のセット販売に今後期待があるという。

新潟市の中原八一市長

JA新潟みらいの地区内では、枝豆の作付面積が昨年の42ヘクタールから56ヘクタールにまで拡大。また、イチゴの売上が約3億1,000万円、スイカが約12億円と、当初の目標を超える結果となったほか、地区内の直売所の売上も年間目標計画を上回った。

こうした状況からJA新潟みらいの村木宏栄経営管理委員会副会長は「同地区内では20人ほどのタバコ農家が営農しているが、日本たばこ産業(JT)が来年からのタバコの廃作を申し入れており、現在好調な大玉スイカへの転換が進む可能性がある」と話し、同じくJA新潟みらいの石川勝幸営農経済部長も、タバコ農家の転換を含む園芸への流れに期待を語る。

JA越後中央の髙橋七郎経営管理委員会会長は、園芸政策が進む中での産業廃棄物の増加や、それにかかる処分費用の負担などについても言及。「マルチリングなどの資材は買うにも高く、処理の費用もかかる。こうした中で、今後(農業は)マルチ不使用や、農畜連携による化学農薬・肥料の減少などが進み、みどりの食料システム戦略(今年5月に農水省が策定)や脱炭素、SDGsの方向性へ進んでいく」との展望を市と共有した。

(文・鈴木琢真)

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓