元新潟県庁職員の名古屋祐三氏が見附市長選挙に出馬することを表明
元新潟県庁職員で今年6月まで新潟県中小企業団体中央会専務理事だった名古屋祐三氏が2日、見附市役所で会見を開き、来年11月に予定されている見附市長選挙に出馬することを表明した。
名古屋氏は1955年見附市生まれ。新潟小学校、見附中学校、長岡高校を経て、新潟大学法文学部経済学科を卒業。卒業後、新潟県庁に入庁し、財政課企画主幹、商業振興課長、産業労働観光部副部長、三条地域振興局長、監査委員事務局長を歴任した。「県庁では主に県の予算編成を所管する財政部門と、県内中小企業の振興や発展を所管する産業労働部門を中心に37年間勤務した」(名古屋氏)という。退職後は新潟県中小企業団体中央会の専務理事として今年6月まで県内企業の振興や発展のための業務に従事した。
出馬を決断した理由について、名古屋氏は「昨年、私の信頼している見附市在住の何人かの方々から『今の見附市政は色々な問題が生じており、大変憂慮すべき状況にある』という話を聞いた」ことがきっかけだったという。
その後、独自に見附市政について調査した結果、「市の経済はコロナ禍で税収が落ち込むなか、県営中部産業団地の進出企業に支えられ、何とか持ちこたえているものの、繊維業をはじめとした景況感が悪化し、農業も米価の低迷など厳しい状況にある。街中の商店街も賑わいの回復の取り組みの最中に発生したコロナ禍で深刻な状況にある」ことがわかった。
一方、「市の財政面も厳しい状況にあることがわかったという。「経常収支比率や公債費将来負担率などの財政指標が県内市町村のなかで最下位の水準になっている。また給食センターや温浴施設(ほっとぴあ)など大規模な施設建設により市の貯金である基金が大きく減少してるなか、さらに市民の財産であるガス事業の売却により財源を捻出して、多額の投資を要する大規模施設の整備に着手することとされている。またウェルネスタウン宅地分譲は当初の計画通り進まず、維持管理費が増加している。ほっとぴあも計画通りの収益が出ず、維持補修のための財源積立が困難ななか、コロナ禍で大きな赤字が生じ、その赤字分をしが全額補填している状況」と語った。
続けて、「このような状況が続けば、市の財政はさらに厳しいものとなり、万が一大きな災害が発生しても復旧のための予算が十分に確保されない恐れがある。こうした状況を打破するために、地域の産業活性化を図り、市の財政を健全なものにし公正で堅実な市政に変えていく必要がある。市政の刷新を実現しなければならない。企業や(農家などの)人々の努力が身を結ぶよう、見附市の優れた部分に光を当てさらに伸ばしていくことができれば、さらに発展できると思っている。それを実現するために悩んだが次の市長選にチャレンジする。県庁や中小企業団体中央会で培った経験や人脈を生かすことにより十分やり遂げる自信がある」などと語った。
名古屋氏は今年6月に中小企業団体中央会を退任し、居住地を新潟市から見附市に移すとともに8月には後援会を発足し活動を開始したという。なお自民党見附市部から推薦をもらっているが、「政党一辺倒にならず、他に政党や団体から推薦の話があれば検討したい。無所属で出馬し、市政に政党間や団体間の争いを持ち込みたくない」などと述べていた。
一方、来年11月の市長選挙まで十分な期間があるなかでの出馬表明について、現在5期目の久住時男市長が任期満了まで1年以上あるなか次期選挙に出馬しないことを表明したうえに、任期途中で退任するとの憶測も出ていることから、このタイミングでの表明になったという。
(文・石塚健)